サンフランシスコで生まれた新たなベーカリースター〈THE MILL〉。ローカル産小麦のトーストを体験して。


2020.03.28

Hanako.tokyo

タルティンが巻き起こしたサンフランシスコのパンシーンの活況は、 第2のスターを生み出した。伝統と革新をともに体現する〈ザ・ミル〉のジョシー・ベイカーがその人。カラダを考えた上の、ローカル産小麦のトーストチャド・ロバートソンに次ぐ第のスターが、ジョシー・ベイカー。彼の店の名は〈ザ・ミル〉=石臼という。店内に石臼を置き、カリフォルニアの契約農家から取り寄せた小麦の粒を粉にし、挽きたてでパンにする、新しいコンセプトをシーンに持ち込んだ。〈ザ・ミル〉のシグニチャートース ト。奥から、「クリチ+ビーツペース ト」8ドル、「アーモンドペースト」 6ドル、「シナモンシュガー」5ドル。カントリーブレッドの風味に驚いた。皮にある、メープルシロップか柿を思わせるコク。タルティン一色に染まった感のあるシーンをぶち破るように強烈な個性を放っているではないか。フレッシュミル(自家製粉)、オールグレイン(全粒粉)、サワードウが、ジョシーの三原則。挽きたての小麦は風味も栄養素も損なわれず、麦をまるごと挽くので食物繊維も豊富になる。そんな深い洞察の一方、シグネチャーのトーストは色とりどりでポップ。アーモンドペーストに海バター、クリチにビーツなどはトーストアイデアのお手本になる。おいしくて、楽しくて、体にいい。未来のパンはきっとこうなると確信した。ローフ型のカントリーブレッドのトーストにアボカドのマッシュとペッパー、海塩、オリーブオイルをかけて。8ドル。耳ばりばり、中しっとりの理想形。挽きたてのカリフォルニア小麦は甘さも香りもパワフル。コーヒーカルチャーとトーストが見事にマッチ。おしゃべり、読書、ネットサーフィン。客たちは思い思いに。棚にはお気に入りの雑貨を置いて。何時間でもいたくなる居心地のよさ。おいしいパンがある、無敵のサードプレイス。高性能のポップアップトースターを並べ、注文に応じてトーストを焼き、色とりどりのスプレッドをのせる。日本の喫茶店にも似たスタイルで、もちろん〈フォーバレル〉のコーヒーとも抜群の相性。〈THE MILL〉ジョシー・ベイカーと〈フォーバレルコーヒー〉とのコラボ店。
736 Divisadero St., SanFrancisco
415-345-1953
7:00〜21:00 無休
49席※1ドルは約110円(2月14日現在)、アメリカの国番号は1、カリフォルニア州の飲食店は全面禁煙です。
(Hanako1182号掲載/photo:Kenya Abe illustration:Maori Sakai coordination:Hiroko Kato text:Hiroaki Ikeda) 

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ミル・ヴー(millevoeux)
place
埼玉県草加市高砂1-5-19
phone
0489295100
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