色鮮やかな門をくぐれば「好吃!」 ヨコハマ 5 hours Trip【中華街篇】


2021.03.24

CREA

 世界最大級の規模を誇る横浜中華街は「食」と「文化」の街。風水思想にもとづいて建てられた牌楼(門)が10基あり、その内側500平方メートルのエリアに600以上の店舗が軒を連ねています。 隠れた名店で本場の中国の味を楽しんだり、中国雑貨や珍しい食材を探してみたり。密を避けつつも、少し出かける「5 hours Trip」。今回は、いつもと違う、ちょっとディープなグルメタウンへTrip!朝からおいしい横浜中華街! 行列のできるあの店へ9:00 上海、四川、広東、北京といった本場顔負けのクオリティの中華料理が楽しめる横浜中華街。じつは、朝グルメとして外せないのが朝粥です。消化のよいお粥は、体に負担をかけず、美容にもよいといわれています。まずはヘルシーでおいしい中華粥を食べて、1日の英気を養いましょう。 1951年創業の「謝甜記貮号店(しゃてんきにごうてん)」は、並んででも味わいたい人気の中華粥専門店。目標は、サンタクロース! 365日店頭で出迎えてくれます。行列必須の名店ですが、平日の朝なら比較的スムーズに入店できます。 お目当ての中華粥は、魚介にお肉、野菜など、21種もの具材のラインナップに加え、高菜やしじみ、パクチーといったトッピングもあり、迷いながらもテンションが上がります。 ベースとなる中華粥は、生のお米から乾燥カキと乾燥貝柱、鶏一羽をまるまる入れて、じっくり4時間ほど煮込むことで、滋味溢れるおいしさに。さらに独自の深い味わいを出すために、「セル マラン ド ゲランド」というフランス原産の塩を加えているのだそう。えびかゆ−鮮蝦粥−(普通) 870円、ヤオチャッカイ−油条− 180円。 ひと匙ごとに素材の旨みが体に染み渡り、その優しい味わいにほっこり。出汁が効いているので、そのままでも絶品ですが、付け合せのザーサイやヤオチャッカイ(揚げパン)を一緒に味わったり、醤油ネギや黒酢を加えたり、アクセントをプラスすると味の変化も楽しめます。カリッと揚げたてのヤオチャッカイを追加して、醤油ネギにつけて食べても美味。自分好みの食べ方をみつけてみて。やさいかゆ−青菜粥−(普通) 760円、はな茶−花茶一杯− 460円。謝甜記貮号店所在地 神奈川県横浜市中区山下町189-9電話番号 045-664-4305営業時間 月~木8:30~15:00、17:00~20:30Lo     金  8:30~15:00、17:00~21:30Lo     土  8:00~21:30Lo休憩なし     日  8:00~20:30Lo休憩なし定休日 無休※営業時間が変更になることがあります。最新の情報は下記HPで確認をお願いします。http://www.shatenki-nigouten.co.jp/10:00 絶品の朝グルメでエネルギーをチャージしたら、朱雀門方面へ。南門シルクロード沿いにある中国式の寺院を参拝しましょう。天上聖母・媽祖は「天后」とも呼ばれ、門には「天后宮」という文字が。 横浜中華街のシンボルといえば、商売繁盛の神様として祀った「関帝廟」が思いつくかもしれません。一方、あらゆる神様を祀っている「横濱媽祖廟(よこはままそびょう)」は、2006年に建立され、比較的新しい寺院ながらもパワースポットとして人気を集めています。色彩の美しい「天后宮」の門をくぐると、艶やかな八角の廟堂が鎮座。 「横濱媽祖廟」は、航海の安全を守るという媽祖を祀る場所。媽祖は自然災害や疫病などから人々を守る女神。心願成就や家内安全、金運招財といった、さまざまなご利益があるとされ、華僑の心のよりどころになってきました。女性に人気の縁結びの神様「月下老人」も祀られているため、良縁を願う人たちが多く訪れています。 境内には、1~5まで番号のついた香炉があり、順番に線香を供えて参拝します。線香の煙は神様との通信手段。邪心なき純粋な心を表すことで、神様から良き導きを授かるといわれています。線香(5本セット) 500円。五穀豊穣・蓄財祈願の信仰にもとづく「土地の神様の香炉」には、福徳正神が祀られています。 続いて廟堂に入り、媽祖様を参拝。膝をついて合掌し、住所・氏名・生年月日を心の中で唱え、自己紹介してから願いごとを告げます。お供えした金紙は、境内にある金亭(炉)で燃やして神様に捧げます。 本殿内では、よく当たると、噂の「神筈(しんばえ)」という三日月型の神具を使った神筈式おみくじも体験できます。係のスタッフが日本語で親切に案内してくれるので、正しい作法を理解しながら異文化を学ぶことも。廟堂の天井にも極彩色の装飾や細やかな彫刻が施されています。神様に願いごとをするときは、金紙をお供え。また、願いがかなったら、お礼の気持ちを込めて再訪して金紙をお供えしましょう。金紙は1,000円。横濱媽祖廟所在地 神奈川県横浜市中区山下町136電話番号 045-681-0909営業時間 9:00~19:00無休http://www.yokohama-masobyo.jp/ 中国式の参拝を体験した後は、のんびり散策タイムです。横浜中華街には、アジアン雑貨や珍しい茶葉、調味料なども目白押し。お土産にして帰宅後のお楽しみにも。おうち時間を豊かにする、魔法の食材を探しに11:00食のプロも足繁く通う「源豊行」。 1949年創業の「源豊行(げんほうこう)」は、一般客からシェフまで幅広いファンを持つ中華食材の専門店。多種多様な調味料はもちろん、フカヒレ、干し貝柱などの高級食材、中国酒や中国茶、冷凍食品(中華点心)など、選りすぐりの商品がずらりと陳列され、眺めるだけでもワクワク。 なかでも、店独自のレシピで作られたオリジナル中華調味料は、家庭で本格中華の味が再現できると評判。使い方のコツから裏ワザまでお店のスタッフが丁寧に伝授してくれるので安心です。1番人気は、プロにも愛されるコクとじわりとした辛さが特徴の熟成ピー県豆板醤 550円(税込)。汁なし担々麺にぴったりの麻辣王国 700円(税込)もおすすめ。干し海老や貝類の旨みが凝縮されたXO醬風味ダシ、寶豊パウダー 450円(税込)。スープも炒め物も、少量加えるだけで旨みがアップします。 コロナ禍でおうちごはんが定着する中、いつもより手の込んだものや、初めての料理にチャレンジしてみたいという方に、「源豊行」のオリジナル調味料はうってつけ。簡単なレシピもつけてくれるので、レパートリーがぐんと広がります。調味料ひとつで、おうち時間を豊かにしてくれることでしょう。本場浙江省紹興で醸造された甕紹興老酒がずらり。試しやすい300ml サイズの5年物紹興老酒 580円(税込)。 「源豊行」では、紹興酒の酒蔵の中でも塔牌(トウハイ)というトップブランドの紹興老酒が取り揃えられています。中でも甕出し紹興老酒は、香りと味、まろやかな喉越しを楽しめる逸品です。飲むだけでなく料理酒としても使えるので重宝します。次回購入時にタグを持参すると、うれしい増量サービスも!源豊行所在地 神奈川県横浜市中区山下町95-2電話番号 045-681-5172営業時間 10:30~17:00定休日 水曜http://www.genhoko.com/12:00 散策後の昼食は、「ローズホテル横浜」の斜め向かいに2016年にオープンした広東料理店「南粤美食(なんえつびしょく)」で。丸鷄の仕込みや隠し味に使う干した魚など、素材から手間を惜しまない料理はどれも味わい深く、食材の持ち味を堪能できます。年々リピーターが増え、横浜中華街の隠れた人気店になっているそう。赤い壁に、黄色い大きな看板が眩しい外観。1階と2階が「南粤美食」。 ここでぜひ食べておきたいのが、熱々の釜飯です。なかでも、自家製の干し肉や貝柱などの具材をお米と一緒に炊き上げる腸詰干し肉貝柱釜飯は、魚介の旨み、加熱によって溢れ出す干し肉の甘味と香ばしさが絶妙。オーダーしてから火にかけるので、ほかのメニューを楽しみながら20分ほど待ちましょう。噛むほどに味わいが増す自家製の干し肉とセロリを炒めた西芹炒臘肉 1,680円。腸詰め干し肉貝柱釜飯 1,680円。 釜飯とともに店主自慢の香港海老雲呑麺は、香港から取り寄せたという極細麺と雲呑の皮が独特の食感で、ハマる人が続出中。透明なスープは、干し海老からとった出汁の香りで食欲をそそります。小さめポーションながら、麺はたっぷり、雲呑のプリッとした海老が存在感をアピールし、心憎いメニューのひとつです。あっさり味のスープに細麺と黄ニラ、海老がぎっしり詰まったワンタンが絶品! 香港海老雲呑麺 980円。 自家製の干し肉や、竹の葉に包まれたビッグサイズのちまきはテイクアウトができます。おにぎりの2~3倍ほどありそうな南粤ちまきは、もちもちのお米に豚の角煮、塩卵、干し貝柱、北海道産小豆など、すべての具材が重なり合って至福の味わい。ちなみにちまきには疫病退散や厄除けの意味もあるそうですよ。半分に切ってみると塩卵に豚肉と貝柱がごろり。お土産にも最適な南粤ちまき 1,000円。南粤美食所在地 神奈川県横浜市中区山下町165-2電話番号 045-622-3332営業時間 11:30~15:00(14:00L.O.)、17:00~21:00(20:00L.O.)※営業時間は状況に応じて変更することがあります定休日 不定休公式Twitter @nanyuemeishi627 極みのランチを堪能したら、最高級の中国茶を楽しめる静かな茶藝館で、奥深い中国茶の世界を旅するひとときを。茶藝館でまったりゆったり優雅なひととき13:00 中華街大通りを進んで善隣門をくぐり、左へ曲がって地久門へ。そこから見えるのが、中国茶専門店「緑苑(りょくえん)」です。1階をのぞくと、台湾や中国のお茶の産地から届く銘葉を中心に、良質の花茶、健康茶までバラエティに富んだセレクションで100種類ほどの茶葉が揃っています。1階はこだわりの上質茶葉を販売する中国茶専門店「緑苑」。 「緑苑」の2階に上がると、本格中国茶藝館「茗香閣(めいこうかく)」の入り口が。茶藝館とは、中国茶を楽しむ喫茶店のこと。自分でお湯を注いでお茶を淹れながら、ゆったりとした時間を過ごせる空間です。 「茗香閣」では、中国茶のおいしい淹れ方と飲み方の知恵を流儀に仕立てた「工夫茶(コンフーチャ)」を体験できます。工夫とは、手間暇をかけるという意味だそうで、工夫茶は、「丁寧に時間をかけてお茶を淹れる」というもの。宮廷ではじまったスタイルで、いわば茶道のようなものです。せっかくなので、ここでしか味わえない銘茶を工夫茶式でいただきましょう。2階が中国茶を楽しめる穴場のカフェスペースに。 中国茶は色を名前に用い、緑茶、紅茶、青茶、白茶、黄茶、黒茶などと呼ばれます。基本的には日本茶と同じ茶葉を使って発酵させており、茶葉の発酵方法によって分類され、味や香りがだいぶ変わってきます。 大きく分けると、発酵していない緑茶は体を冷やすお茶。紅茶をはじめとする発酵茶は体を温めるお茶。それ以外に、菊、ジャスミン、金木犀、くこなど、体の不調に合わせてブレンドする、花茶や健康茶があります。多種多彩の中国茶。体調や気分、勘をたよりに選んでもよいでしょう。セレクトに迷ったら、スタッフに指南を。 今回は、中国茶専門店でないとなかなかお目にかかれないという武夷岩茶(烏龍茶)をオーダー。中国福建省武夷山で育つ茶の木は、硬い岩肌に、気の遠くなるような時間をかけて根を張り、ミネラルをたっぷり吸収して育つため、砂の土壌で育った茶葉とは違った味わいのお茶に。武夷岩茶(烏龍茶)のひとつ、深みのある香りと味わいが特徴の福建省 半天妖 1,800円(税込)。 茶葉の種類によって異なる工夫茶ですが、初めてでもスタッフが淹れ方を説明してくれるので気軽に楽しめます。1杯目はスタッフが淹れた中国茶を、2杯目以降は教わった淹れ方で。 おいしいお茶の淹れ方のコツは、茶盤の上に茶葉を入れた茶壺を置き、できるだけ高いところからお湯を注ぐこと。勢いよく注ぐことで、表面に浮いてくる泡(アク)をとることができるそう。茶壺の蓋のフチで泡を切り、蓋をし、茶壺の上から全体にお湯を注いでお茶を蒸らします。 蒸らし終わったお茶を茶壺から茶海に移し、まず細長い聞香杯に注ぎます。聞香杯は、香りを楽しむための杯。20秒ほど待ってお茶を茶杯に移し、空になった聞香杯で香りを「聞き」ます。五感をとぎすまし、どこか清らかでほのかに甘い香りに耳を傾けましょう。岩茶の特徴は、武夷山の風化した岩肌のミネラルを吸収した茶葉が抽出されたときに醸し出す味と香り。後味と残り香の余韻も独特です。 そして、茶杯のお茶は、ワインのテイスティングと同じように、まず目で美しい色合いを楽しみます。そして空気を含みながら口に運び、舌の上へおき、香りと一緒に味を確かめます。このとき、音をたてて口に含んでもOK。香りに浸りながら味わうお茶は、まろやかに広がり、さまざまなイメージが膨らみます。 2杯目、3杯目と、味も香りも変わります。淹れるたびに最後の1滴まで出すことが重要で、6杯くらいまでおいしくいただけます。心静かに香りを聴き、1煎ごとの味の違いを満喫する。そんな至福の時間をゆるやかに味わえる中国茶体験です。「茗香閣」では、「緑苑」でも扱っている50種もの手作り茶葉を楽しめます。 「茗香閣」では中国茶のレッスン、お茶会も好評です。カリキュラムは全25回(1レッスン1人1時間5,000円・税込)。教えてくれるのは「緑苑」「茗香閣」のオーナーで中国茶のエキスパートでもある、日本中国茶普及協会講師の周永泰先生。毎回異なるお茶を取り上げ、中国茶の持つ豊かな香りを引き出すおいしい淹れ方のコツや、暮らしの中で気軽に飲んで楽しむための必要な基礎知識に触れられます。 足を運ぶたびに新たな魅力を発見できる横浜中華街。本場中国の「食」と「文化」をめぐる今回の「5 hours Trip」は、いかがでしたでしょうか。次回の「5 hours Trip」もぜひお楽しみに!中国茶藝館茗香閣所在地 神奈川県横浜市中区山下町189−9電話番号 045-651-5651営業時間 12:00~20:00(19:30L.O.)定休日 木曜文=大嶋律子 写真=釜谷洋史 

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横濱媽祖廟
place
神奈川県横浜市中区山下町136
phone
0456810909
opening-hour
9:00-19:00
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南粤美食
place
神奈川県横浜市中区山下町165-2
phone
0456816228
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no image
謝甜記 貮号店
place
神奈川県横浜市中区山下町189-9上海路 辰ビル1F
phone
0456644305
opening-hour
[月-金]8:30-21:00(L.O.20:30)…
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