福岡

久留米・柳川

KURUME / YANAGAWA

鉄板の柳川川下りのほか、果物狩りや神社巡りも楽しめるエリア

福岡県南部から南西部に広がる久留米・柳川周辺エリア。筑後平野や耳納(みのう)連山を擁し、南西部は有明海に接しており、九州最大の一級河川・筑後川が流れている。豊かな水や温暖な気候を生かして、各種フルーツや茶など農産物の生産が盛んなことで知られる。この地を訪れたら体験したいのが「柳川川下り」だ。江戸時代の柳川城の掘割を「どんこ舟」と呼ばれる舟でまわるもので、船頭さんの案内や唄を聞きながら、街の風景を楽しむことができる。また、フルーツの生産が盛んなこの地域に来たからには、時期にもよるが果物狩りも検討したい。甘いあまおうを食べられる「うるう農園」や、イチゴや梨、ブドウ狩りのできる「フルトリエ 中村果樹園」など、果物狩りを楽しめるスポットがいくつもある。このほか、全国で唯一「恋命(こいのみこと)」を祀る「恋木神社」や、久留米城跡に鎮座する「篠山(ささやま)神社」などの神社巡りも楽しい。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    高良大社
    筑後国の一の宮。自然を楽しめるパワースポットとしても有名
    耳納連山の最西端、標高312mの場所にある九州最大の社殿を持つ神社。厄除け、延命長寿、交通安全など生活全般のご利益を求める人で賑わう。また、武運長久の神、芸能の神としても信仰されている。
    高良大社中門(ちゅうもん)・透塀(すきべい)。奥にあるのが高良大社社殿
  • spot 02
    水天宮
    全国にある「水天宮」の総本宮。子授けや安産の神様としても有名
    水天宮は水の神様、子授けや安産の神様として有名な神社。年間を通してさまざまな祭儀が行われ、筑後川花火大会など、特徴のある祭りも数多く行われることで知られる。
    水天宮社殿。子授け、安産祈願、水の安全の祈願など、多くの人が参拝する
  • spot 03
    久留米市鳥類センター
    大人も子どもも楽しめる鳥の楽園!
    1954年(昭和29)に開園した久留米市にある鳥類専門の動物園。鳥類以外にも多くの種類の動物がおり、ウサギやモルモットとの触れ合いなどを楽しめる。遊園地も併設しているため、小さい子どもから大人までさまざまな年代の人におすすめのレジャースポットだ。
    園内ではさまざまなクジャクを見ることができる
  • spot 04
    久留米市美術館
    前身は「石橋美術館」。久留米市の文化芸術拠点として市民に親しまれる
    ブリヂストン創業者・石橋正二郎氏が郷里の久留米市に建築寄贈した石橋文化センターの中核施設。2016年(平成28)に石橋財団運営の「石橋美術館」を引き継ぎ、「久留米市美術館」に改称。運営も久留米市が引き継いだ。九州ゆかりの洋画家たちの作品を所蔵し、さまざまな展覧会や、国内と連携したイベントを開催。
    美術館前の、中央に3羽のペリカン像のいる噴水も美しい
  • spot 05
    柳川川下り
    北原白秋のふるさと「柳川」でのんびり川下り
    福岡県の水郷「柳川」で体験できる川下り。420年ほど前に築城された柳川城のお堀をどんこ舟でゆっくりと巡る。船頭の舟歌もぜひ堪能したい。川下りのあとは柳川名物「ウナギのセイロ蒸し」の昼食や柳川藩主立花邸「御花」の見学もおすすめ。一日中のんびりと楽しみたいならぜひ訪れたい場所だ。
    のんびりした時間が流れる川下り
  • spot 06
    元祖本吉屋
    創業は1681年(天和元)! うなぎのせいろ蒸しを生み出した名店
    柳川といえば「うなぎのせいろ蒸し」が有名だが、その料理を生み出したのが「元祖本吉屋」だ。元祖本吉屋のうなぎのせいろ蒸しの誕生は古く1681年(天和元)。300年以上もの間、秘伝のたれと製造方法を守り続けている。元祖本吉屋の魅力は何といってもふっくらとしたやわらかいうなぎと、それにマッチしたご飯。また、うなぎを二度せいろで蒸しているのも特徴だ。二度蒸しする前、ご飯の上に蒲焼を並べると同時に錦糸卵を載せ、その後二度目の蒸しに入る。こうすることで、外は香ばしく、中はふわっとしたうなぎができあがり、さらにご飯にうなぎのうまみが移っておいしくいただける。錦糸卵の鮮やかな黄色も美しく、目で味わう楽しみもある。持ち帰りもできるが、長い歴史を感じさせる風情ある店舗でいただくのがおすすめ。日本庭園を眺めながらゆっくり味わいたい。
    上に載った錦糸卵も美しいうなぎの「せいろ蒸し」4100円
  • spot 07
    北原白秋生家・記念館
    柳川出身の偉大な詩人・北原白秋の足跡をたどる
    城下町の雰囲気を色濃く残す町・柳川。ここは詩人・歌人として、また童謡作家としても著名な北原白秋が誕生した地。町には生家と記念館があり、白秋の足跡をたどることができる。
    「白秋生家」外観。1901年(明治34)の大火で大半を焼失したが、1969年(昭和44)に復元
  • spot 08
    柳川藩主立花邸 御花
    柳川市民に愛される立花家400年の歴史を感じる大名屋敷
    「御花」の愛称で市民に親しまれてきた柳川のシンボル「柳川藩主立花邸 御花」。明治期に伯爵家となった立花家が築いた迎賓館の「西洋館」や国の名勝「松濤園」、その庭に面する182平方メートルの「大広間」は、戦後、料亭旅館として大切に受け継がれてきた。
    柳川のシンボル・御花の正門のうしろに控える白亜の西洋館
  • spot 09
    八女中央大茶園
    緑の絨緞が広がる八女茶を代表する大茶園
    福岡県南部地方で栽培される日本茶のブランド・八女茶を代表する茶畑の「八女中央大茶園」。八女市の本地区に広がる70万平方メートルの広大な茶園は、八女茶の一大生産拠点として農業経営の規模拡大に貢献している。また、桜の名所としても知られる。
    八十八夜には美しく並んだ茶畑
  • spot 10
    水田天満宮(恋木神社)
    日本で唯一の恋の神様を祀る恋愛成就の聖地
    日本で唯一、恋の神様を祀る恋木神社を境内にもつ水田天満宮。「九州二大天満宮」のひとつで、学問の神様である菅原道真公が祀られている。太宰府天満宮の建築様式で建てられた風格ある本殿をはじめ、「恋命(こいのみこと)」の境内社には恋愛成就や良縁を求める参拝客の姿があとを絶たない。
    女性の参拝者があとを絶たないハートだらけの神社として有名
  • spot 11
    如意輪寺 (かえる寺)
    大小さまざまなカエル像が出迎える道守りの寺院
    福岡県小郡市の如意輪寺は九州八十八ヶ所第3番札所で、創建は8世紀までさかのぼる地元随一の古刹。そんな寺の境内には大小さまざまなデザインのカエルの置物が並んでいて、地元では「かえる寺」として親しまれている。「無事かえる」「福帰る」といった縁起の良い寺院だ。
    境内の入り口で参拝客を待ち構えるリアルなカエル像
  • spot 12
    池亀酒造
    1世紀半の歴史を刻む、筑後地方の名高い酒蔵
    久留米の地酒メーカーである池亀酒造は、昔ながらの酒袋を使った雫絞り製法で醸した大吟醸をはじめ、日本初のゼリー状の梅酒という画期的なリキュールで知られている。酒蔵は見学できるほか、直売所をはじめ酒蔵をイベント利用できる「酒蔵スペースレンタル」を備えるなど、時代をとらえた新しいスタイルで注目されている。
    黒麹で醸した珍しい純米吟醸「黒兜」など、個性的な酒も
  • spot 13
    夜明茶屋
    有明海の珍味をいろいろ味わえる食事処
    日本一の干満差で知られる有明海は独自の生態系をもち、ムツゴロウなど珍しい魚介類の宝庫だ。柳川にある夜明茶屋ではそれらの珍味を味わうことができる。
    有明海の恵みを少しずついただける「夜明茶屋御膳」2970円
  • spot 14
    若松屋
    じっくりしみた秘伝のタレが食欲をそそる「うなぎのせいろ蒸し」
    水郷の町、福岡県柳川の名物料理といえばうなぎのせいろ蒸し。安政年間に創業された老舗・若松屋は、うなぎのふっくらした食感と秘伝のタレから生まれる独特の甘辛さで人気を呼んでいる。
    錦糸卵も鮮やかな柳川名物「うなぎのせいろ蒸し」3930円
  • spot 15
    樺島氷菓
    素材の味や香りを生かした人気アイスキャンディー
    自社農園でマンゴーやドラゴンフルーツを作っていたオーナーがそれらを使ってジェラートを製造・販売。やがて、オーナーの苗字から取ってカバのロゴマークを作ったことをきっかけに、アイスキャンディー(151円-)の製造も始めた。素材の味や香り、色を生かすため、着色料や香料はいっさい使っていない。昔懐かしい素朴な味と、愛くるしいカバのマークが人気を呼び、今や全国のカフェや雑貨店、スーパーなどで販売されている。昔ながらの日本家屋を改装した建物が店舗になっており、玄関の扉を開けると色とりどりのアイスキャンディーの並ぶショーケースが現れる。そこに並ぶのは自家栽培の「あまおういちご」やマンゴーのほか、近隣の農家が手がけた季節限定の果物、それにソーダやチョコレートなど10数種類のアイスキャンディー。カップ入りのジェラート(324円-)もある。ミルクアイスのなかに佐賀県の老舗の羊羹が入った「本煉り羊羹入りミルク」(216円)という新食感のアイスキャンデーもあり、どれも食べたくなって目移りしてしまうほど。玄関横に長椅子があり、頬張りながらひと息つけるのがうれしい。
    包装紙もかわいいアイスキャンディー
  • spot 16
    大砲ラーメン
    豚骨ラーメンのルーツ久留米にある代表的な老舗
    豚骨ラーメンのルーツは福岡県久留米市にある。その歴史とともに、同市に数あるラーメン店のなかでも老舗のひとつ、大砲ラーメンを紹介する。
    屋台時代の具「カリカリ」やシナチクが載った「昔ラーメン」
  • spot 17
    丸星中華そばセンター
    熱烈なファンが多い久留米豚骨の王道ラーメン
    今や全国の味となった福岡の豚骨ラーメン。そのルーツは久留米にあり、今も70軒ほどのラーメン店が味を競う。その激戦区で根強い人気を誇るのが、国道3号線沿いに広い駐車場をもつ丸星中華そばセンター、通称「丸星ラーメン」だ。創業は1958年(昭和33)。もともと、野菜などを販売していた創業者が、昼夜を分かたず働くドライバーのためにわずか6.6平方メートル(2坪)という店舗面積で24時間営業を始めた。早くて安いをモットーに提供していたところ瞬く間に繁盛店になり、店舗は増築を重ねて現在の70席までに成長している。店舗に入るとすぐ右側が調理場で、創業当時の雰囲気が残されており、羽釜で豚骨や鶏ガラがグツグツ煮立てられている様子を見ることもできる。その羽釜から生まれるスープはまさに豚骨の王道を行く濃厚なもの。近年、洗練されたスープを出す豚骨ラーメン店が多いなか、地元をはじめ、オーソドックスな豚骨ラーメンを愛する人たちから熱烈な支持を受けている。
    ラーメン500円。麺は細麺で具材はチャーシューに海苔、ネギだけのシンプルさ
  • spot 18
    清陽軒
    豚骨ラーメン発祥の地、久留米は焼きめし王国だった
    豚骨ラーメン発祥の地、久留米ではラーメンと一緒に必ず焼きめしを頼む人が多いという。そのため、ラーメン店のメニューに焼きめしのある割合が全国トップクラスといわれる。
    ラーメンとの相性がいい「久留米焼きめし(500円)」
  • spot 19
    炭火串焼うえ野
    焼きとりの街、久留米で「ダルム」はいかが
    「焼きとり日本一」を宣言し、「焼きとりの街」として知られる福岡県久留米市。その歴史とともに老舗を紹介する。
    おいしそうに焼き上がるダルムなど。火力は炭火に限るという
  • spot 20
    黒木の大藤
    600年の時を超え圧巻の花景色を見せる国天然記念物
    樹齢が600年を超え、国の天然記念物に指定されている黒木の大藤。4月中旬から下旬にかけて神社を抱くように薄紫の藤の花が咲き競い、見事な光景を見せる。
    豊かな香りを漂わせる九州屈指の大きさを誇る藤
  • spot 21
    八女福島の白壁の町並み
    新感覚のショップも注目を集める風情豊かな白壁の町
    福岡県八女市の八女福島は江戸末期から昭和初期にかけて建てられた町家が130軒ほど連なり、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。最近は町家を改装したショップやホテルもお目見えし、注目を集めているエリアだ。
    白漆喰の壁をもつ町家が連なり「白壁の町並み」とも呼ばれている
  • spot 22
    八女市横町町家交流館
    八女の最高級玉露を味わえる情報発信拠点
    八女市の伝統的建造物群保存地区である八女福島の情報が集まる八女市横町町家交流館。ここでは高級八女茶のいれ方も教えてくれ、その奥深い味を体感できる。
    白壁の町並みの一角にある2棟の町家を活用
  • spot 23
    八女伝統工芸館
    八女に伝わる繊細な手仕事の世界に触れる
    福岡県南部に位置する八女地方は昔から仏壇や提灯、和紙などの製造が盛んな地。八女伝統工芸館はそれらの技術を今に伝え、手仕事の魅力に触れることができる施設だ。
    高さ10.5m、脚の周囲が20.8mもある日本一大きな石灯籠がお出迎え
  • spot 24
    八女観光物産館ときめき
    八女茶の品ぞろえは産地ならではの充実ぶり
    店内には、八女茶をはじめ、地酒や菓子、醤油などの調味料、農産加工品など八女地方の特産品が豊富に並び、お土産選びに重宝する。なかでも八女茶の品ぞろえは産地ならではの充実度。最高級の玉露から気軽に飲めるティーバッグまで予算や用途に応じて購入できるのはもちろんのこと、産地をさらに6つのエリアに分けてパネルで紹介し、好みで選べるよう配慮されている。菓子類では八女玉露の飴で香ばしいかりんとうを包んだ「玉露奉天」(410円)など、昔から親しまれている素朴なものから洋風にアレンジしたものまでさまざま並ぶ。飲食ブースの「郷土食の店ふくちゃん」にも注目を。毎朝手作りしている「だご汁」(550円)や「よもぎまんじゅう」(170円)がおいしく、特にモチモチした歯ごたえとたっぷり餡を詰めたボリューミーな「よもぎまんじゅう」は昼過ぎに売り切れてしまう。また、ソフトクリームコーナーでは、お茶の風味が濃い「八女茶ソフト」(300円)が好評だ。
    店内奥にある八女茶のコーナー。その種類の多さと品ぞろえには驚く
  • spot 25
    菓子処きくや
    ロングセラーの銘菓やユニークな和菓子に注目
    福岡県筑後地方にある八女福島で1802年(明治35)に創業。お茶どころの地元で長く愛されている和菓子店だ。店舗内には、かつて使われていた和菓子の型なども展示され、120年余りの歴史を感じさせる。代表銘菓は八女特産の茶の実をかたどったその名も「茶の実」(170円)で、シナモンをまぶした皮で八女茶を練り込んだ餡を包んだ逸品。シナモンは、茶の実が緑から茶色に変化することを表現するために使われているが、時代とともに見直しを図り、今では完全有機栽培のやさしい香りのものを採用。お茶の風味と好相性を見せて日本茶にもコーヒーにもあうと、誕生から80年経った今も愛されている。4代目となる店主は素材にこだわり、伝統を守りながらも自由な発想のお菓子を創作。店頭にはとうもろこしの餡を使った上生菓子など、季節の移り変わりを繊細に表した色とりどりの菓子が並ぶ。一方で「生ハムメロンどら焼」(500円)やパイナップルの果肉を包んだ「パイナップル大福」(300円)といった新発想の和菓子も期間限定で販売され、県外から買い求めに来るファンも多い。
    シナモンが香りのアクセントを添える「茶の実」
  • spot 26
    茶商 矢部屋許斐本家
    八女茶をプロデュースした九州最古の茶商
    八女市福島にある許斐本家は300年以上の歴史があり、九州最古の茶商として知られている。幕末から茶の海外輸出を始め、大正時代には高級茶である玉露の開発をあと押し。八女地方の茶を「八女茶」と名付けるなど八女茶の高級化・ブランド化に貢献した。そんな歴史をもつ同店は江戸時代後期に建てられた居蔵(いぐら)と呼ばれる町家造りで、戦前まで茶葉を審査するために取り付けられていた「日除け」が、店舗正面に向かって左側の窓部分に復元されている。店内はギャラリーとしても活用され、明治時代、博覧会用にロシアに輸出した茶箱や、茶葉の保存に使われた茶壺などを展示。ギャラリーから奥の作業場に向かう土間には茶葉を焙煎する焙炉(ほいろ)という茶の製造に使われていた道具も置いてある。現在、店舗を含めた母屋2棟、離れ座敷1棟、土蔵3棟と製茶作業場の合計7棟の建物が八女市有形文化財に指定。茶商の歴史や文化を垣間見ることができる。
    茶葉の品質を見極める採光装置「日除け」が印象的な店舗
  • spot 27
    うなぎの寝床 旧丸林本家
    八女から地域文化のすばらしさを発信するアンテナショップ
    八女市福島に残る複数の町家を拠点に、地域の伝統的なモノや体験型ツアー、出版物などを通し全国に地域文化を発信している会社「うなぎの寝床」。その店舗のひとつ、旧丸林本家では明治時代後期の建物をリノベーションしてオリジナMONPE(もんぺ)を販売。作業着としての動きやすさ、着心地のよさはそのままに、現代風にアレンジしたデザインが評判を呼び、人気商品になっている。生地は久留米絣や全国の織元、縫製工場のものを使っており、色やデザイン、サイズなどバリエーションは豊富。生地によって異なるさまざまな風合いを確かめながらお気に入りを選ぶことができる。2階は編み方にこだわったオリジナルTシャツ「KATA-T」のコーナー。表地と裏地で異なった編み方のもの、編み目を詰めたしっかりしたものなど、生地の厚さや肌触りによってオールシーズン使える日常着として、Tシャツを提案している。近くには九州を中心とした工芸品や日用品を扱う旧寺崎邸、独自にセレクトした本が並ぶうなぎBOOKS旧塚本邸などがある。旧丸林本家は2022年(令和4)に「福岡県野外広告景観賞」を受賞している。
    病院として明治後期に建てられた旧丸林本家
  • spot 28
    船小屋鉱泉・長田鉱泉
    含鉄炭酸泉が日本トップクラスの鉱泉
    福岡県南部の街、筑後市の矢部川沿いにある船小屋(ふなごや)温泉。ここに日本でもトップクラスの含鉄炭酸泉が湧出している。もともと、炭酸泉が湧き出る上を飛んだスズメが排出ガスを吸ってよく落ちたため「雀地獄」とも呼ばれていたが、文化年間(1804-1818年)、難病を患っていた老人がこの炭酸泉を飲んだところ治ってしまい、湯治客が訪れるようになった。これを受けて一帯を統治していた有馬藩が井戸を掘って浴場を造り、船小屋温泉としたという。明治時代には日本一の含鉄炭酸泉との分析結果も出て、文化人にも愛され新婚時代の夏目漱石も訪れている。この含鉄炭酸泉を自由に飲んだり汲んだりできるのが、雀地獄前にある船小屋鉱泉場だ。備え付けの試飲用コップを使い実際に飲んでみると、硬水度が高く鉄分量も多くて刺激的な味がする。一方、矢部川を挟んだみやま市側には長田鉱泉場があり、こちらも日本トップクラスの炭酸含有量を誇る鉱泉が湧き出ている。船小屋鉱泉と違って軟水のため飲みやすい。どちらも汲みに来る人が絶えないほどの人気のため、たくさん汲む人用に有料の蛇口が用意されている。ただし、試飲用の無料蛇口もあるので、まずはじっくり味を確かめてみよう。
    風情のあるレトロな船小屋鉱泉場の建物。周囲には温泉宿も
  • spot 29
    大力うどん
    行列必至!安くてうまい筑後の人気うどん店
    福岡県南部のみやま市にある1973年(昭和48)創業のうどん店で、昼どきは行列必至。土曜や日曜、祝日になると終日、客足の絶えない名店だ。人気の第一の理由はその安さにある。かけうどんが1杯210円、福岡県民が愛してやまない牛肉を甘辛く煮たものをトッピングする「肉うどん」でさえ390円。肉うどんと人気を二分するカレーうどんは340円だ。低価格で提供できているのは、少しでも安く食事をしてもらいたいという経営者の強い想いと、材料を大量に仕入れ自家製にこだわることで実現しているコスト抑制によるという。もちろん、安いだけではない。とにかくおいしいのだ。麺は福岡ならではの太くて嚙まなくても切れそうなやわらかいタイプ。つゆは羅臼昆布やうるめいわしなどを使って取った出汁が利いている透明なもので、麺とつゆのバランスが見事にとれている。トッピングの具材も豊富で、牛肉の甘辛煮やカレーのほか、福岡独特の「ゴボウ天」や「丸天」など12種類ほど。そばもあり、こちらも自家製だ。
    いちばん人気の「肉うどん」でも390円という驚異的安さ
  • spot 30
    中山大藤
    太鼓橋の上は藤のシャワーが注ぐ見事なトンネル
    柳川市三橋町の熊野神社境内にある樹齢300年の大藤が毎年人気を集めている。これは江戸時代後期、地元の中山村で酒造業を営んでいた萬さんという人物が上方見物に出かけた際、藤の名所・河内野田(現在の大阪市野田)から種を持ち帰り、自宅に植えたことに由来するという。種は育ち、数十年後には美しい花を咲かせるようになって、シーズンになると多くの見物客が押しかけるようになった。ところが、ある年、酒に酔った武士が刀を抜いて暴れるという事件が発生。これに懲りた萬さんは藤を熊野神社に移植し奉納することにした。1977年(昭和52)、県の天然記念物に指定され、地元の保存会が大切に手入れしている。藤棚の広さは約1200平方メートルに及び、花房は満開時、長いもので1m50cm近くに達する。どこを見ても絵になる大藤だが、人気スポットは境内を流れる小川に架けられた太鼓橋の上。藤のシャワーを浴びているような花のトンネルができて、記念写真を撮る人で大賑わいとなる。また、橋のたもとに降りて川岸から太鼓橋を見上げると、藤棚との風情ある光景を楽しめる。開花時期は4月中旬から下旬頃まで。
    太鼓橋の上は記念写真を撮る人の姿が絶えない
  • spot 31
    高橋總本舗
    タバスコ感覚の調味料「ゆずすこ」の直売店
    全国的にヒットしている新感覚の辛味調味料「ゆずずこ(YUZUSCO)」。ユズの皮、酢、唐辛子をブレンドしたこの調味料は、九州地方で古くから親しまれている「柚子コショウ」の液体版で、ユズの風味とピリッとした刺激、酢のほのかな酸味が爽やか。タバスコのような感じでひと振りすれば、鍋料理や唐揚げ、サラダ、パスタ、うどんといろいろな料理に味のアクセントを添えることができる。製造元の高橋總本舗は、有明海で獲れるタイラギ貝の貝柱やウミタケの水管、鯨の軟骨、カズノコを独自に味付けした酒粕に漬け込み、珍味として知られる「有明漬」を開発した会社。もともと柳川で造り酒屋を営んでいたが、酒造りの際に出る酒粕に注目し「有明漬」として柳川名物に育て上げた。工場に隣接する直売店には、有明漬やゆずすこ(540円)はもちろん、辛さ際立つ「ゆずすこレッド(540円)」、ショウガ入りの「しょうがすこ(540円)」といったゆずすこのバリエーションや、チューブ入り海苔佃煮「のりクロ」(540円)など、ユニークなオリジナル商品が並ぶ。
    辛さや材料の違いにより4種類の「ゆずすこ」がある。左端は海苔佃煮の「のりクロ」
  • spot 32
    大牟田市立 三池カルタ・歴史資料館
    ゆかりの深い地でカルタの歴史を知る
    大牟田市立 三池カルタ・歴史資料館は日本で唯一のカルタ専門の公立資料館だ。日本最古の国産カルタをはじめ、江戸時代から現代までの珍しいカルタが多数所蔵されている。
    色も鮮やかに復元された天正カルタ
  • spot 33
    福龍軒
    マイルドなスープで人気の「大牟田ラーメン」の老舗
    炭鉱や重化学工業で栄えた福岡県最南端の街、大牟田市は久留米を源にもつ独自の豚骨ラーメン文化を築いてきた。その老舗のひとつが1963年(昭和38)創業の福龍軒(ふくりゅうけん)だ。特徴は3つある。まず、灯油バーナーで炊くスープ。先代が修業したラーメン店が灯油バーナーを使っていたため店を継いだ2代目も踏襲したが、ガスと比べて火力が一段と強く、豚骨のうまみをより引き出せるという。次に、中太麺を使っていること。細麺が主流になりつつある今、中太麺はモチモチしていてスープがよくからむため、これも先代から変えていない。実際にいただくと、スープはマイルドで豚骨特有のクセがない一方コクがあり、中太麺との相性がいい。そして、背脂を使っていないこともおいしさの秘密だ。背脂特有のこってり感が好みを分けてしまうこと、灯油バーナーの力でスープはうまみにあふれており背脂の必要がないことが理由だ。おかげで子どもから年配者まで、お客の年齢層は幅広い。もやしやキャベツなどが載った野菜ラーメン(790円)もここの名物。先代がかなり早期に始めたメニューの1つで、野菜の甘みがラーメンとよくあい、女性に人気が高い。
    きれいなクリーム色のスープと中太麺が特徴。630円
  • spot 34
    浮羽稲荷神社
    92基の鳥居が山肌に連なる「映える」神社
    「SNS映え」するとして朱の鳥居が連なる各地の神社が人気だが、福岡県うきは市にも鳥居が山肌に連なる神社がある。浮羽稲荷神社(うきはいなりじんじゃ)がそれだ。
    鳥居が写真映えする浮羽稲荷神社参道
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旅のヒント

  1. その1

    柳川川下りを催行している会社は「城門観光」や「柳川観光開発株式会社」「水郷柳川観光株式会社」など。各社さまざまなコースを用意しているので、事前に公式サイトを確認したうえで予約をしよう。

  2. その2

    「フルトリエ 中村果樹園」では1-5月にイチゴ狩り、7-10月に梨狩り、8-9月にブドウ狩りをそれぞれ楽しめる。

  3. その3

    「恋木神社」は、菅原道真公をお祀りする「水田天満宮」の境内にある。水田天満宮の末社が恋木神社だ。合わせてお参りしよう。

  4. その4

    久留米市には全国にある水天宮の総本宮「水天宮」がある。JR九州の久留米駅から徒歩約10分、九州自動車道・鳥栖ICから車で約20分でアクセスできる。

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