山口

岩国・柳井・周防大島

IWAKUNI / YANAI / SUOOSHIMA

有形文化財の建造物や国指定名勝が多く、国の天然記念物白ヘビの生息地としても知られる

山口県の最東部に位置し、小瀬川を挟んで広島県との県境に接している岩国市。年間を通じて穏やかな気温が保たれたこの地では、美しい自然豊かな環境と世界に誇れる歴史的建造物や指定文化財、環境資源が点在している。なかでも日本三名橋のひとつで、国指定の名勝である錦帯橋は、1673年(延宝元)に岩国藩吉川広義が現在の橋の原型となる橋を建造。当時からの木組みの技法を継承し、2002年(平成14)に「平成の架け替え事業」が行われ、2004年(平成16)3月に完成。現在では山口県を代表する観光地として人気がある。また錦帯橋の横には城山があり、標高約200mの山頂には岩国城の天守閣が建っている。ロープウエーに乗ると3分ほどで山頂に到着し、ロープウエー内から錦帯橋を眺める事もできる。このほかにも、山口県の文化財にも指定されている香川家長屋門があり、岩国市の建造物としては最古のひとつで歴史を感じることができる。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    錦帯橋
    岩国の誇りとして350年の歴史を刻む世界的に珍しい木造アーチ橋
    城山と城下を結ぶため錦川に架けられた5連の木造アーチ橋。美しい清流、豊かな自然を残す周囲の山々とともに、唯一無二の絶景を作り出している。その歴史は洪水との戦いだったが、つねに岩国市民に愛され、守られ、人々に四季折々のさまざまな楽しみを与え続けてきた。
    岩国のシンボル。世界に誇る木造工法の美しいアーチ橋
  • spot 02
    橋の駅 カフェいつつばし
    飲食店、土産店、インフォメーションがそろった岩国観光の拠点
    「橋の駅」は岩国観光の拠点となる施設で、錦帯橋の目の前という好立地にある。1階が錦帯橋バスセンターとインフォメーションで、岩国駅との近距離、広島方面との中距離の路線バスが運行している。2階には、名物の「岩国寿司」や「岩国蓮根麺」、スイーツなどを楽しめる「カフェいつつばし」、土産物のそろう「展望市場」がある。「カフェいつつばし」の「いつつばし」は錦帯橋の5つのアーチを表しており、その名のとおり、大きな窓から、錦川に架かる錦帯橋の姿を見晴らせる絶景カフェだ。おすすめのメニューは、鶏肉、里いも、レンコン、椎茸などが入った、汁の多い煮物・大平(おおひら)が付いた「岩国寿司セット」1000円、麺にレンコンが練り込まれた「岩国蓮根麺セット」850円、いろいろなスイーツが盛り付けられた「ケーキ&ドリンクセット」700円。窓際の特等席で、錦帯橋を眺めながら味わえるのがうれしい。また、「展望市場」のお土産でイチオシなのは「錦帯せんべい」だ。レトロなパッケージの固焼き煎餅で、錦帯橋をイメージしたアーチ形なのがおもしろい。最上階の3階は展望台になっている。岩国観光の際には、ぜひ「橋の駅」に立ち寄ってみよう。
    目の前に錦帯橋を望めるカフェスペース
  • spot 03
    旭酒造
    日本酒の世界的ブランド「獺祭」の蔵元
    日本酒の代表銘柄のひとつとして、国内外で高い人気を誇る「獺祭」。その獺祭を手がけているのが岩国市の山あいにある酒蔵・旭酒造だ。直売所が併設され、酒はもちろん石鹸などのオリジナル商品も販売。日本酒好きのみならずとも、気の利いたお土産を見つけられるスポットとして訪ねてみたい。
    山口県の木材を使った久杉橋と、直売所「獺祭ストア・本社蔵」(右奥)は世界的建築家・隈研吾氏のデザイン
  • spot 04
    いろり山賊
    食事も自然も大満喫! まるでテーマパークのような食事処「いろり山賊」
    県民なら知らない人はいないといわれるほどの山口の有名スポットである「いろり山賊」。鶏の炭火焼や川魚焼きなどの豪快な「山賊料理」を楽しめる店だ。野趣あふれる屋外席では、大自然を感じながら名物料理を味わうことができる。
    「いろり山賊」玄関口
  • spot 05
    岩国城
    錦帯橋と並ぶ岩国のもうひとつの顔
    錦帯橋と並ぶ岩国のシンボル岩国城は、街を見下ろす横山の標高200mの山上にある。大きく蛇行して流れる錦川を、三方を囲む天然の外堀に見立て、その北に突き出した場所に築城された。復興された天守は市街のいたるところから見えるが、やはり最高なのは錦帯橋とのセット。まさに岩国を代表する絶景だ。
    最上階が下の階層より大きい特徴的な造りの天守
  • spot 06
    料亭・旅館 半月庵
    武家屋敷跡の茶室から始まった、岩国寿司をいただける料亭旅館
    1869年(明治2)、岩国藩の武家屋敷だった建物を初代が譲り受け、茶室として始まった「半月庵」。海軍将校の交流の場として賑わい、岩国出身の作家・宇野千代の著書に登場することでも知られ、これまでたくさんの人に愛されてきた。現在は「料亭・旅館 半月庵」として懐石料理を提供するかたわら、ランチメニューとして郷土料理を提供する。一度に大量に作る岩国寿司は、郷土のふるまい文化が形となって今に伝わっている。通常のレンコンより穴が1つ多く、見通しが良い縁起物とされる岩国レンコンも使うことが多いため、岩国の代表的な名物料理となっている。「半月庵」の岩国寿司は、岩国レンコンのほか、穴子、春菊、椎茸、でんぶ、錦糸玉子などの具材が使われた華やかな押し寿司。米4升で144個を一度に作るダイナミックなものだ。また、岩国寿司を1段か2段か、好みで選べるのもうれしい。「半月御膳」には岩国レンコンなどの野菜、山菜、鶏肉、こんにゃくなどを煮込んだ汁物・大平(おおひら)も付く。クリアなだし汁と野菜の煮物の素朴な味が魅力の郷土料理だ。岩国を訪れた際は、ぜひ「料亭・旅館 半月庵」で岩国の味を楽しみたい。
    「半月御膳」2200円。郷土料理の岩国寿司と大平に、天ぷらと刺身両方が付いたうれしいセット
  • spot 07
    岩国城ロープウエー
    岩国の絶景を気軽に楽しめる3分間の空中散歩
    錦帯橋の背後にそびえる岩国城のある山の中腹まで、景色を楽しみながら気軽に登ることのできる岩国城ロープウエー。車体のデザインがかわいらしいゴンドラからは、錦帯橋と錦川、岩国の町並みはもちろん、遠く瀬戸内海の島々までを一望することができる。
    赤を基調とした時代絵巻風デザインのゴンドラ
  • spot 08
    香川家長屋門
    錦帯橋架け替えの棟梁が造った武家屋敷の重厚な門
    岩国領主の吉川家を支えた家老、香川氏の武家屋敷の表門。錦帯橋と岩国城を結ぶ道すがらにあって、往時の雰囲気を今に伝えている。春になると門前の桜の大樹に花が咲き誇り、冬の雪化粧ではりりしい姿と、四季の移ろいごとの風情を醸し出している。
    遊歩道沿いにある荘厳なたたずまい
  • spot 09
    柏原美術館
    古武具の展示が充実している全国的にも珍しい美術館
    地元の名士による「柏原コレクション」と呼ばれる奈良から江戸まで幅広い時代の古美術や陶芸品を見られる私設美術館。国宝や重要文化財に指定されている貴重なものも多い。特に武士に関するもの、武具や武家の生活品などが充実し、死生観の美学に基づく独特な展示も行われている。
    錦帯橋を渡った先に広がる吉香公園の突き当たりにある。目をひく外観
  • spot 10
    やまぐちフラワーランド
    美しい季節の花々を一年中楽しめる癒しのテーマパーク
    多くの人々に花の魅力を知ってもらい、花きの需要を高めるために、柳井市の山の斜面を利用して作られた花のテーマパーク。年間約500品種45万本の季節ごとの花に魅了される。花に関連するイベントや体験教室も積極的に開催され、花好きの心を捉えて離さない施設だ。
    入園口からすでに四季折々の花々で彩られている
  • spot 11
    岩國白蛇神社
    四柱の祭神とともに神の使いであるシロヘビも信仰される神社
    昔から日本人は白色の動物を神の化身として大切にしてきた。300年以上前から岩国に生息していたシロヘビも、岩国藩主・吉川家の米蔵をネズミの害から守ってきた神の使いだと信じられ、各地に白蛇堂や祠が造られた。この「岩国のシロヘビ」は岩国の限られた地域にだけ生息する世界的にも珍しいヘビで、1972年(昭和47)には国の天然記念物に指定された。「岩國白蛇神社」は、今津の地域をはじめ多くの岩国市民の長年にわたるシロヘビの保護と信仰に基づき、広島県の宮島に鎮座する嚴島神社の祭神・市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)、田心姫神(たごりひめのかみ)、湍津姫神(たぎつひめのかみ)を勧請し、2012年(平成24)に創建された。また、インドの水の女神・弁財天が日本に伝わったときに宇迦御魂神(うかのみたまのかみ)と習合し、人頭に蛇身の姿の神とされてきたことから、穀物の神として古くから民間に信仰されてきた宇賀弁財天も祭神となった。「岩國白蛇神社」はシロヘビが祭神だと思われることが多いが、シロヘビは四柱の祭神の使いとして信仰されている。同じ敷地内にシロヘビを見られる「白蛇観覧所」もあり、多くの参詣者が訪れている。
    高台に立つ拝殿。建築木材は元岩国藩主・吉川家所有の森林の檜を使用
  • spot 12
    白蛇観覧所
    岩国で神の使いとして保護されてきたシロヘビを間近で見られる
    1972年(昭和47)に国の天然記念物に指定された「岩国のシロヘビ」は、岩国の限られた地域にだけ生息する世界的にも珍しいヘビだ。シロヘビは成長すると、長さ180cm、胴回り15cmほどになるものもあり、目はルビーのように赤く、全身は白く光沢があってとても神秘的。性質はおとなしく人に危害を加えることはないという。いつ誕生したかは不明だが、「今津の錦川の河口に岩国藩の米蔵があり、この米を食べるネズミを常食としていたアオダイショウが白化しシロヘビになった」という伝説が、400年近く前のこととして伝えられている。岩国の人々が昔からシロヘビを神の使いとして崇拝し、大切に保護してきたことが、今日まで絶滅を免れてきた理由であろう。「白蛇観覧所」では、野外飼育場でふ化した子どもを室内飼育施設に収容し、生後3年まで飼育・管理。成長すると再び野外飼育場に戻して放飼し、自然に近い環境のなかで保護・増殖を図っている。実際にシロヘビの凛とした姿と赤い目を見ると、不思議な魅力を感じずにいられない。「岩國白蛇神社」と同じ敷地内にあるので、神社参拝とあわせて観覧すると、より深くシロヘビについて知ることができる。
    「室内飼育施設」ではガラス越しにシロヘビを見られる
  • spot 13
    白崎八幡宮
    清らかな湧水やユニークな賽銭箱も話題の岩国最大の神社
    岩国市を流れる今津川沿いに鎮座する、市内で最も大きい神社。境内から湧き出る御神水や、拝殿を飾る隠し絵、独自の四字熟語の御朱印、「金回りが良くなる」というユニークな賽銭箱など、遊び心が満載だ。
    「必勝」の赤い奉納幕がかかった拝殿
  • spot 14
    吉香公園
    旧岩国藩主の屋敷跡に広がる、風光明媚な歴史公園
    岩国城がそびえる城山のふもと、旧岩国藩主・吉川家の居館跡地に造られた大公園。城下の自然が美しい園内には、随所に藩政時代をしのばせる文化財が点在しており、「日本歴史公園百選」にも選ばれた。
    シンボルの大噴水。虹がかかることもある
  • spot 15
    錦帯橋たもと ひらせい
    錦帯橋を眺めながら岩国寿司を楽しめる老舗日本料理店
    藩主・吉川広家(きっかわひろいえ)に献上していたことから、別名「殿様寿司」とも呼ばれた岩国寿司。創業1858年(安政5)の老舗日本料理店で、錦帯橋を眺めながら彩豊かな岩国寿司をいただこう
    味はもちろん、華やかな見た目も岩国寿司の特徴
  • spot 16
    錦帯橋温泉いつつばしの里
    名橋・錦帯橋を見下ろす絶景宿の、露天が自慢の天然温泉
    錦帯橋の架かる錦川沿いに立つ「岩国国際観光ホテル」には、周囲の山々の景観とともに錦帯橋と岩国城を一望できる温泉施設がある。日帰り入浴もできるので、旅の途中に気軽に立ち寄ってみよう。
    「朝霧の湯」の露天風呂の岩風呂と石風呂。錦帯橋を眺められる
  • spot 17
    古市・金屋伝統的建造物群保存地区
    土蔵造りの商家が連なる町で、情緒あふれる歴史散歩
    歴史ある白壁の町並みが残る柳井市は山口県の南東部に位置し、瀬戸内海に突き出た室津半島の付け根部分に開けた港町。古くから瀬戸内屈指の商都として名を馳せ、今もなお町の通りには伝統的な建造物が立ち並ぶ。
    金魚ちょうちんが軒先に揺れる情緒ある町並み
  • spot 18
    サザンセトとうわ
    瀬戸内のハワイ・周防大島の魅力が満載の道の駅
    道の駅ではあるが海の駅とも言え、つながりの深いハワイの香りも感じられる。そんなぜいたくな施設が周防大島の「サザンセトとうわ」だ。目の前は美しい海で、神秘の小島も浮かぶ。瀬戸内の陽光の下、島の豊かな恵みを思い切り堪能しよう。
    海のそばにある建物はバリアフリーにも配慮されている
  • spot 19
    郷土料理レストラン
    オーシャンビューの絶景レストランで周防大島の幸を味わう
    周防大島の道の駅「サザンセトとうわ」の2階にある「郷土料理レストラン」。店内では島産の獲れたての新鮮な魚をはじめ、旬の素材にこだわった料理を存分に堪能できる。リーズナブルな価格もうれしい。おすすめは「小いわし定食」(1400円)や「お魚フライ定食」(1400円)などの魚料理。お子様ランチやデザートメニューもあるので家族連れにも好評だ。瀬戸内海に面した店の窓ガラスは大きくて開放感があり、すぐ近くに浮かぶ真宮島(しんぐうじま)を一望できる座敷やテーブル席が並んでいる。自慢の料理を堪能しながら絶景を楽しむこともできる、おすすめのレストランだ。
    「瀬戸のお魚フライ定食」は、新鮮な魚を使った刺身やフライが自慢
  • spot 20
    真宮島
    干潮時の前後3時間だけ現れる奇跡の海の道
    古事記にも登場する瀬戸内海の周防大島の沖に、不思議な現象の起きる小島「真宮島」が浮かんでいる。干潮の前後3時間のみ、歩いて渡れる道が海の中から現れるのだ。七夕伝説のような「繋がり」をイメージする恋愛成就のパワースポットとして、若い恋人たちもよく訪れる。
    干潮時に現れた島への砂州
  • spot 21
    よしだ新館
    名物・岩国寿司を旬の魚介と一緒に味わえる割烹料理店
    岩国寿司の始まりは、文化文政年間(1804-1830年)。岩国藩では紙の専売制度が敷かれ、商人が錦川から船で大坂へ売りに行っていた。当時、江戸のにぎり寿司と並んで、大坂で人気があった押し寿司を食べた商人が、岩国に帰ってからも食べたいと創意工夫して作られ始めたのが岩国寿司だという。錦川沿いに岩国寿司の店が多いのもその流れからである。「よしだ新館」も錦川からほど近く、岩国藩主・吉川家の氏神だった椎尾八幡宮の前に立つ。岩国寿司を単品でいただくことができるほか、レンコン、山菜、鶏肉、こんにゃく、厚揚げなどを煮込んだ汁物の大平(おおひら)、ヤマメそうめん、イカそうめんなどの岩国名物がセットになった「岩国寿司定食」もリーズナブルに味わえるのがうれしい。「よしだ新館」の岩国寿司は、岩国レンコン、コハダ、穴子、椎茸、でんぶ、錦糸玉子、パセリなどを具材に使い、酢飯と積み重ね、大きな木枠で最高で5段作る。ヤマメ、アマゴ、鮎など旬の魚介を使った料理も評判で、店内の生け簀で泳いでいる新鮮なものをさばいて提供するので、岩国寿司とともに郷土の味を楽しむことができる。
    岩国名物が並ぶ「岩国寿司定食」1890円。岩国寿司の単品も1人前900円からいただける
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旅のヒント

  1. その1

    錦帯橋に行くおもな玄関口は新岩国駅か岩国駅になるが、新岩国駅と錦帯橋を結ぶバスは本数が非常に少なく、新幹線の到着時刻と合わないときがあり、事前に時間を確認することを強くおすすめする。岩国駅からバスに乗車する場合は15分に1本程度運行しているが、ルートにより所要時間が異なる。

  2. その2

    白蛇神社の敷地内に白蛇資料館があり、入場料は無料だが志として100円程度は納めたい。また白蛇神社から白崎八幡宮までは歩いて10分程度の距離にある。

  3. その3

    錦帯橋の入橋料、ロープウエー往復料金、岩国城の入館料のセット割引がある。

  4. その4

    岩国市から車で45分程度で花と緑の公園であるやまぐちフラワーランドがあり、手入れの行き届いた花が出迎えてくれる。

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