島根
江津・浜田
GOTSU / HAMADA
石見地方の観光拠点・浜田、石州瓦の美しい町並みが残る江津
広島から浜田自動車道で直結し、石見地方の観光拠点となっている浜田。シロイルカが人気の水族館「島根県立しまね海洋館アクアス」が、エリアを代表するスポットだ。アクアスのある「石見海浜公園」は総面積147万㎡という広大な公園で、アウトドアのメッカとなっている。その近くには、古くから名勝地として知られる「石見畳ヶ浦」があり、独特の海岸景観が見られる。「浜田市世界こども美術館」は、体験・参加型の美術館としてファミリーに人気だ。浜田漁港は、全国屈指のノドグロ漁獲量を誇り、獲れたての旬の魚が「はまだお魚市場」でゲットできる。また浜田と石見銀山の中間付近、江の川河口に位置する江津は、観光要素の少ない通過地点と思われがちだが、かつて舟運・海運で栄えた往時の面影を残す風情豊かな町並みがあり、「天領江津本町甍(いらか)街道」と呼ばれている。雪舟作とされる「小川家雪舟庭園」なども足を運んでみたいスポットだ。
エリアの見どころ
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島根県立しまね海洋館アクアス
- シロイルカで人気を集める中国・四国地方で最大級の水族館
- 県立石見海浜公園にある「しまね海洋館アクアス」の魅力は、シロイルカだけではない。中国・四国最大規模を誇る館内には、内容豊富で魅力的な展示を展開。日帰り行楽だけでなく、旅の途上でも訪れたいスポットだ。
- スポットの詳細
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島根県立しまね海洋館アクアス
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島根県立石見海浜公園
- 「快水浴場百選」の美しい渚に沿って、広大な海浜公園が広がる
- 姉ヶ浜の海岸沿い、「赤鼻」「大崎鼻」という両端の2つの岬を含んだエリアに「石見海浜公園(いわみかいひんこうえん)」が広がる。浜田市と江津市にまたがり、総延長5.5km、総面積147万平方メートルに及ぶ広大な公園で、A~Fの6ゾーンに分かれている。おおまかにいえば、西部はオートキャンプ場やケビンなどがある「自然と親しむゾーン」で、東部が水族館「しまね海洋館アクアス」を中心としたレジャーゾーンになっている。同じ公園内といえども、違うゾーンへは車での移動になるので注意が必要だ。公園の中核施設といえる「しまね海洋館アクアス」があるゾーンには、海側にマリンハウスが立ち、コバルトブルーの海が広がる。そして山側には、日本最大級の木製遊具が人気の「アクアスランド」がある。スライダーの付いた木製遊具は、総延長566mの高床式空中連続デッキになっており、違った高さから周囲の景色を楽しめる。また隣接して、島根土産が充実した「森トピア地域交流物産館」や「レストラン異瑠香(いるか)」、春~秋の日曜、祝日に本格的な石見神楽の上演される「はっしー広場」などがあるので、「アクアス」を訪れた折にはこちらも立ち寄ってみたい。
- スポットの詳細
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島根県立石見海浜公園
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浜田市世界こども美術館
- 子どもの好奇心をかき立て創造力を養う体験型の美術館
- 浜田市街や日本海を見晴らす高台に立つ白亜の建物は、子どもたちのアートの殿堂。子どもの好奇心をくすぐる展覧会やアート体験を実施している。子どもはもちろん大人も楽しめ、旅の立ち寄りスポットにも好適だ。
- スポットの詳細
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浜田市世界こども美術館
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浜田城跡
- 江戸時代の247年間にわたり、浜田藩の本拠地だった城跡
- 日本海(松原湾)に面し、浜田市街を見下ろす小山に、ゆかしい城跡が木々に包まれてたたずむ。1619年(元和5)に初代浜田藩主となった古田重治(ふるたしげはる)が築城し、1866年(慶応2)に大村益次郎が率いる長州軍によって落城するまで、247年間の長きにわたり浜田藩の本拠地だった浜田城跡だ。城の北側は断崖状の急斜面で日本海に面し、南と西は浜田川が堀の役割を果たし、東側に石垣が築かれた。城内には天守が立つ本丸、二ノ丸、三ノ丸があり、城下には「浜田八町」と呼ばれる城下町が広がっていた。長州軍による落城、次いで1872年(明治5)の浜田地震で天守が倒壊。現在は主郭部の石垣を残すのみとなっている。周辺は城山公園として整備され、桜の季節は花見客で賑わいを見せるが、それ以外の季節は森閑としている。司馬遼太郎が碑文をしたためた「浜田藩追懐の碑」が二の丸にあり、古色を帯びた石垣とともに往時をしのばせる。島根県内で月山富田(がっさんとだ)城、津和野城と、同じく「遺構を残すのみ」の2つの城が「日本100名城」に選ばれたが、それらに次いで2017年(平成29)、この浜田城が「続日本100名城」に選定された。
- スポットの詳細
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浜田城跡
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海旬
- メニューは「おまかせコース」だけ。絶品の海の幸を堪能できる店
- 「浜田で新鮮で美味な海の幸を食べたいときはこちらに限る」と、多くの食通が口をそろえてすすめる店が、JR浜田駅近くにある「海旬」。ここでは、浜田漁港と近郊の港で水揚げされた獲れたて魚介をふんだんに使った魚中心の「おまかせコース料理」が楽しめる。というより、ここでのメニューは「おまかせコース」のみで、定食や丼、単品料理の類はない。それは、「とにかくうまい魚をたっぷり食べてもらいたい」というポリシーと自信の表れだ。事実、この店は席をなかなか取れず、場合によっては1か月前から予約が必要で、当日の飛び込みはほぼ不可能というほど人気が高い。予算に応じてコースを提供してくれる。予算は3000円から1000円刻みで、6000円コースが標準らしい。5000円のコースからノドグロが付く。煮付けなどの味つけが上手と評判で、刺身も新鮮でおいしい、居心地もいい、と三拍子そろっている。魚好きなら、浜田を訪れる際には忘れずチェックしておきたい店だ。
- スポットの詳細
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海旬
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小川家雪舟庭園
- のどかな里の名家に、雪舟が作庭したと伝わる見事な庭が残る
- 江津の町はずれ、のどかな里の山際に、この地に住んで800年という旧家の小川家が立つ。そして、その小川家に、知る人ぞ知る「雪舟の名庭」がある。ひなびた里にひっそりたたずみ、訪れる人も少ないが、よく手入れされた見事な庭で、「こんな場所に、これほどの庭が」と驚かされる。小川家は、平安貴族の和気清麻呂(わけのきよまろ)を遠い先祖とし、朝廷に代々仕えた由緒ある家柄。室町時代の1460年代、その小川家に画聖・雪舟が招かれ、滞在した折に築いた庭と伝わる。江戸時代には、小川家は代々村の庄屋と浦年寄を務め、歴代の浜田藩主と交流をもち、浜田藩主もこの庭を愛でたという。藩主を迎えた書院は2006年(平成18)に建て替えられたが、その書院から庭を愛でることができる。山陰地方で屈指の名園として、島根県第1号の名勝に指定されたが、今も小川家の個人所有だ。訪れる際にはあらかじめ連絡したい。庭は小川家の奥様が案内してくれる。なお、雪舟は石見国の益田で最後を迎えたとされ、その益田でも雪舟作といわれる庭を見られる。
- スポットの詳細
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小川家雪舟庭園
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岩瀧寺の滝
- 弘法大師・空海も美しさに感嘆したと伝わる壮麗な四段の滝
- 江津市の東、大田市との境に近く、江の川(ごうのかわ)下流部の小さな支流・都治川(つちがわ)に、優美な四段の滝「岩瀧寺の滝」がかかる。滝の周辺では、都治川が「深山幽谷の趣」を漂わせる渓谷をなし、岩瀧寺谷と呼ばれる。ここは江津(ごうつ)市街から車で30分とかからない場所で、滝の上流には集落もあり、それほど深い山奥ではない。海岸からこんなに近く、これほどの渓谷美と立派な滝を見られる場所は、全国的にも珍しい。手軽に訪れることができ、深山を思わせる渓谷美と滝の絶景が楽しめる。周囲は春は桜に山ツツジ、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪化粧と、四季折々に自然が美しい。吹き下ろす風でミストとなったしぶきが清涼を呼び、とりわけ夏には来訪者が多い。滝から2kmほど手前に「岩瀧寺」がある。もともと滝の近くにあったが、波積(はづみ)ダムの建設で移転した。弘法大師・空海が諸国行脚のおり、この滝の美しさにひかれ、修行の場にふさわしいと考え、かたわらに熊野十二所権現を祀る権現堂を建立。熊野山岩瀧寺が開創されたと伝わっている。
- スポットの詳細
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岩瀧寺の滝
人気スポット
旅のヒント
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その1
浜田までは、広島自動車道・浜田自動車道で広島から車で約1時間と近く、広島周辺からの日帰りレジャー客が多い。浜田から江津へも山陰道が通じ、浜田ICから江津ICまで車で約15分と近い。
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その2
公共交通機関の場合、浜田・江津ともにJR山陰本線の沿線にあるが、このエリアでは列車の本数が限られるのでダイヤに注意。広島方面から浜田方面へは鉄道はないが、高速バスを利用できる。
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その3
このエリアでは西北向きに日本海に面し、海岸から美しい夕日を見られる場所が多い。浜田市には「ゆうひパーク」と名付けられた道の駅が2か所(ゆうひパーク浜田・ゆうひパーク三隅)ある。
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その4
周遊ルートをとる場合、浜田から江津を経て石見銀山、出雲と巡るのが一般的だが、浜田から益田を経て津和野と巡るのも一案だ。