鳥取

倉吉・三朝温泉

KURAYOSHI / MISASA ONSEN

歴史ある町並みと多彩な温泉。山岳信仰にも触れる中部の旅

東西に長い鳥取県の中部に位置する倉吉平野。その一角、天神川流域にある倉吉は、古代から伯耆国の中心地として栄えた。室町時代に山名氏により打吹城が築かれ、城下町が整備され、江戸時代は陣屋を中心に武家屋敷や商家が軒を連ねた。その面影を残すのが玉川沿いの白壁土蔵の町並みだ。倉吉は関金温泉、三朝町の三朝温泉、湯梨浜町のはわい温泉と東郷温泉の4つの温泉地に囲まれている。町の観光のあとはゆっくり温泉で疲れを癒やすといいだろう。倉吉から三朝温泉へは車で約15分。三朝温泉からさらに山峡に分け入ったところにあるのが、三徳山三佛寺。その昔、修験者たちは三朝の湯で心と体を清めて三徳山へと向かったという。古人に習い、三朝温泉の世界屈指のラドン泉に浸かり、心身を整え、三徳山を目指す旅もおすすめだ。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    倉吉白壁土蔵群
    風情ある白い壁と赤い瓦の町並み散歩を楽しむ
    室町時代に「打吹城(うつぶきじょう)」の城下町となり、江戸時代には武家屋敷が建てられ、その後は商都として栄えた倉吉。玉川沿いの白壁土蔵群は、江戸、明治期の建物がたくさん残っており、国重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。防水の役目をする漆喰と、防火や耐久性を高めるための焼き杉板、そして凍害に強いといわれる赤い石州瓦の屋敷や蔵が立ち並び、その周辺には昭和レトロな雰囲気の商店や看板もあって、風情ある楽しい町並みになっている。古い趣ある建物を利用して「赤瓦」と冠を付けたショップやレストラン、体験施設が点在。その一つひとつを巡るだけでも、町歩きはとても楽しいものになる。伝統文化に触れたり、グルメを楽しんだり、ゆっくりと過ごすのがおすすめだ。倉吉の伝統工芸といえば江戸時代から伝わる「倉吉絣」。絵絣とも呼ばれ、縁起のよい模様が施されている。倉吉絣の着物を着てまち歩きを楽しめる体験プランもある。履物と小物一式、そして美容師による着付けとヘアアレンジもセットになっているのが特徴。事前予約が必要なため、料金や予約方法についてはウェブサイトを確認するか、問い合わせを。
    玉川沿いに白壁、焼き杉板、赤い瓦の建物が続く。近くには、天女伝説のある「打吹山」もある
  • spot 02
    鳥取二十世紀梨記念館 なしっこ館
    日本唯一の「梨」のミュージアム
    鳥取県を代表する味覚のひとつ「二十世紀梨」。その歴史や魅力を紹介する国内唯一の「梨」をテーマにしたミュージアム。一年中、3品種の食べ比べができるほか、パーラーでは「二十世紀梨ソフトクリーム」も味わえる。
    国内最大級の「二十世紀梨の巨木」の展示。根の部分もガラスケースの中に展示されているのでじっくり見てみよう
  • spot 03
    三朝温泉
    浸かって、飲んで、吸って、世界屈指のラドン泉に癒やされる
    高濃度ラドン泉で知られる三朝温泉。「三たび朝を迎えると元気になる」と古くから多くの湯治客を癒やしてきた。どこか懐かしい昔ながらの湯の町の風情。周囲の自然も体に元気をくれるようだ。
    温泉街の中心にある「三朝橋」。青御影石造りの風流な橋は国の登録有形文化財に登録されている
  • spot 04
    三朝神社
    湯巡りの途中で温泉地を見守る鎮守様にお参り
    温泉街から歩いてくると、大きな木々に囲まれた一角がある。三朝温泉の鎮守である三朝神社だ。三朝温泉発見の白狼伝説の武士・大久保左馬之(おおくぼさまのすけ)と深く関わりのある神社で、以前は「大久保大明神」と呼ばれていた。1921年(大正10)に温泉街の対岸にあった外谷集落の牛頭天王(ごずてんのう)と、隣接する砂原集落の妙見山正八幡宮を合祀した神社で、大己貴命(大国主命・おおくにぬしのみこと)、素盞鳴尊(すさのおのみこと)など祭神の数が多い。三朝の名木であるムクノキやタブノキ、ケヤキ、カゴノキ、エノキ、イチョウなど多種の樹木が生い茂る境内。温泉の町らしく手水舎にラジウム温泉が引かれていて、飲むこともできる。三朝の自然を感じながら、湯巡りでほてった体を休め、温泉を飲みながらひと息入れたい場所だ。
    大きな木々に守られるようにたたずむ三朝神社。唐破風の屋根が印象的な拝殿
  • spot 05
    元帥酒造
    江戸末期創業、170年の伝統がある蔵元
    元帥酒造(げんすいしゅぞう)は、江戸時代末期・嘉永年間(1848~1854年)の創業。当初の酒銘は「旭正宗」で、1907年(明治40)、当時の皇太子(のちの大正天皇)の山陰行啓に随行した東郷平八郎(とうごうへいはちろう)海軍大将が倉吉に宿泊したとき、献酒した。1913年(大正2)に東郷大将が「元帥」の称号を得た際、酒銘を「元帥」に改銘した。以来、倉吉を代表する酒として親しまれている。本店は、玉川沿いに並ぶ白壁土蔵群の一角にある赤瓦七号館。「元帥 大吟醸」をはじめとするお酒を販売している。元帥酒造の銘柄を擬人キャラクター化した「神酒ノ尊-ミキノコトミ 純米吟醸 元帥」、TVアニメ『宇崎ちゃんは遊びたい!』×倉吉市コラボイベント商品でここでしか入手できない「元帥 大吟醸 生貯蔵酒 宇崎 花 ラベル」などが話題。本店から車で5分ほど離れた場所に酒造場があり見学できる。元帥の歴史、お酒ができるまでの工程などふだん聞くことのできない蔵に関する話が聞ける貴重な機会を提供する。試飲、蔵内直売コーナーもある(予約制なので事前に問い合わせを)。
    倉吉の「白壁土蔵群」の一角にある。軒下の大きな杉玉が目印
  • spot 06
    桑田醤油醸造場
    昔ながらの製法を守る明治創業の醤油蔵
    「桑田醤油醸造場」は、1878年(明治10)創業の老舗醤油店。倉吉市の玉川沿いに並ぶ白壁土蔵群の一角にあり、「赤瓦六号館」となっていて、醤油や関連商品の販売のほかに休憩所を設け、倉吉の見どころや歴史も希望に応じて説明している。建物は鳥取県指定保護文化財になっている貴重なもの。京風造りで長い土間があるのが特徴のひとつ。玄関を入ると土間が延び、裏側に回ると土蔵があり工場となっていて、工場を通り抜けると白壁土蔵群に出る。1907年(明治40)、当時の皇太子(のちの大正天皇)の山陰行啓に随行して倉吉を訪れた東郷平八郎(とうごうへいはちろう)海軍大将が泊まったことでも知られる。店先には木の樽が置いてあり、今も瓶を持参する人には直接入れて販売しているそうだ。店内には、昔ながらの製法で、手間暇かけて仕込まれた醤油が並ぶ。土蔵をデザインした陶器入りや、オリジナルの「しょうゆアイスクリーム」「しょうゆマカロン」「醤油羊羹」など醤油を使ったスイーツも土産におすすめ。
    格子窓が目をひく建物が歴史を感じさせる
  • spot 07
    円形劇場くらよしフィギュアミュージアム
    日本最古の円形校舎を使ったフィギュアの聖地
    約70年前に建てられた円形の校舎を利用して誕生した、ファン垂涎のフィギュアミュージアム。「見る」「学ぶ」「遊ぶ」をテーマにしてバラエティ豊かな展示やイベントを開催している。
    文字どおり円形の建物が目をひくミュージアムの外観。外側にも恐竜やキャラクターが飾られワクワクする
  • spot 08
    赤瓦
    趣ある建物を利用した「赤瓦」が町のなかに点在
    倉吉市の倉吉の中心商店街にある、玉川沿いに並ぶ白壁土蔵群は、白い漆喰壁に黒の焼き杉板、屋根には赤い石州瓦を葺いてある。江戸・明治期に建てられたものが多く、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。この土蔵群の町並み保存と新たな活用を図るため、1997年(平成9)に第三セクター「株式会社赤瓦」を設立。趣ある建物を改装して、「赤瓦〇号館」と名付け、各館に特徴をもった店が入る。食事処や喫茶、特産品店、創作体験施設など多彩に楽しめるようになっている。観光駐車場からすぐの場所にある「赤瓦十号館」は「倉吉白壁土蔵群観光案内所」で、元サイダー工場を改修したもの。観光案内のほか、各種パンフレットをそろえており、まずここで情報収集して散策をスタートするといい。「一号館」は、醤油の仕込み蔵を改装したもので、特産品や地酒、因州和紙の雑貨、竹工芸品などこだわりのショップが並ぶ。「十三号館」は洋食レストランの白壁倶楽部。建物は1908年(明治41)築で、国登録有形文化財の鳥取県第1号となった旧第三銀行倉吉支店だ。じっくり町並み散策して、お気に入りの「赤瓦」を見つけよう。
    大正時代に建てられた蔵を利用した「赤瓦一号館」。現在、「十八号館」まである
  • spot 09
    湯の街ギャラリー
    温泉街を楽しくするギャラリー散歩
    静かな山あいの温泉街の店舗や宿が協力し、自慢の作品やグッズを展示する「湯の街ギャラリー」。温泉街に21のユニークな「ギャラリー」が点在し、温泉街の散策を楽しいものにしてくれる。
    「梶川理髪館」は店そのものが貴重な展示物。理髪店は男性たちがさまざまなことを語り合うサロンだったそうだ
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旅のヒント

  1. その1

    倉吉は鳥取市と米子市のほぼ中間にあり、鳥取駅、米子駅から倉吉駅まで特急列車で約30分。車ではどちらからも約1時間の距離で、山陰自動車道を利用しても鳥取県内はすべて無料。

  2. その2

    倉吉白壁土蔵群、三朝温泉、三徳山の3か所をバスで巡るなら、区間内の路線バスに2日間乗車できる「湯〜遊2デーパス(1300円)」がお得。各観光案内所で購入可。鳥取二十世紀梨記念館 なしっこ館、はわい温泉、東郷温泉への移動にも使えるので活用したい。

  3. その3

    三朝温泉へはJR倉吉駅から路線バスが一般的だが、大阪や神戸から高速バスでもアクセスできる。車での移動なら、宿泊地を三朝温泉にして鳥取砂丘や米子、大山などを観光するプランもいいだろう。ただし山間部を走るので、冬季は冬用タイヤなどの装備を忘れずに。

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