奈良
山の辺の道・桜井
YAMANOBE ROAD / SAKURAI
日本最古の道と古刹を楽しめる人気のハイキングルート
奈良盆地の東側に広がるエリア。山裾に沿うように続く「山の辺の道」は、『古事記』や『日本書紀』にも登場する日本最古の道といわれ、かつては奈良と桜井を結んでいた。現在は天理から桜井にかけてのルートがハイキングコースとして人気。物部氏の総氏神を祀る石上神宮や、花の寺として知られる長岳寺、古代の信仰の形を今に伝える大神神社など、道沿いには数々の見どころがある。山の辺の道の終着点である桜井エリアは、日本三文殊のひとつである安倍文殊院、大化の改新の舞台であり紅葉の名所でもある談山神社などの古社寺が点在。大和と伊勢を結ぶ伊勢街道沿いには、平安貴族の信仰を集めた長谷寺や、女人高野と呼ばれる室生寺など、ハイキングにも人気の古刹がある。
エリアの見どころ
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柿の葉すし山の辺 桜井本店
- 箱を開けた瞬間、思わず声がこぼれる紅葉の柿の葉すし
- 「柿の葉すし」の看板やのぼりを見てお店の存在に気づく小さな路面店。予約販売を行わないので、山の辺の柿の葉すしを買うために、遠方から車を走らせ、朝6時から並ぶ人も。葉っぱ取りも夫婦で行う、手作りの名店だ。
- スポットの詳細
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柿の葉すし山の辺 桜井本店
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大美和の杜展望台
- 三輪山(みわやま)と大和盆地を眺望しながらベンチでひと休み
- 大神(おおみわ)神社の境内にあるころんと丸い丘の上は、東に大神神社の御神体である三輪山、西に大和盆地という立地の展望台だ。三輪山登拝の受付をしている狭井(さい)神社近くにある案内板に従って歩いてすぐ。あるいは大神神社二の鳥居前から北に向かう道を取り、突き当たりの大直禰子(おおたたねこ)神社がある角を右折して行くルートもある。しばらく行くと久延彦(くえひこ)神社に到着、この久延彦神社からの眺望もすばらしく、また展望台へ抜けることができる。大美和の杜の東に沿う山道が日本現存最古の道「山の辺の道」であるため、古道歩きの途中に立ち寄り、ひと休みするハイカーも多い。展望台周辺には例年3月中頃に桜、5月下旬にはササユリが開花し、訪れた人々を楽しませている。\※季節や周辺の樹木の状態などにより、展望台からの眺望がさえぎられる場合あり。
- スポットの詳細
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大美和の杜展望台
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夜都岐神社
- 山の辺の道にひっそり鎮座。春日大社と縁の深い神社
- 県道51号線、天理環状線沿いに朱色の大きな鳥居が立っている。そこから田園に囲まれた道を100mほど東に行くと、夜都岐神社(やとぎじんじゃ)が鎮座する。かつて「春日神社」と呼ばれ、地域に親しまれてきた。奈良の春日大社との関係が深く、江戸時代末期まで春日大社に「蓮の御供」というお供え物を献上していた。そのため、60年ごとに、春日から若宮社殿と鳥居が下げられるのが例となっていたと伝わる。現在の鳥居は1848年(嘉永元)に若宮から下げられたもの。本殿は1906年(明治39)に改築された棟札があり、2022年(令和4)の御造営で武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主神命(ふつぬしのみこと)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、比売神(ひめがみ)の春日四神が本殿一社に合祀された。奈良では珍しい茅葺き屋根の拝殿が、趣を加える。西に100mほど行った先、県道51号線沿いに朱色の鳥居が立っているが、その鳥居は二の鳥居にあたり、一の鳥居はさらに西の場所にあった。
- スポットの詳細
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夜都岐神社
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そうめん處 森正
- 大神神社二ノ鳥居前にあるそうめん処の暖簾を最初に掲げた店
- 「そうめん處 森正(もりしょう)」は、1978年(昭和53)に先代店主が「大神(おおみわ)神社の参道で、三輪そうめんを味わってほしい」という想いから開いた店。旧家の門から玄関までの通路にテーブルが置いてあり、古い井戸や成熟したお庭を見ながら、雰囲気とともにそうめんを味わうことができる。店で提供するメニューには、厳冬期に生産され、細いのにコシがしっかりし、伸びにくいところが特徴という「をだまき」の2年ものを使用。水の流れそのままに盛り付けた「冷やし」は、三輪そうめんのおいしさをストレートに感じられるいちばん人気のメニューだ。カツオや昆布、いりこで取っただしに奈良県産の醤油やみりんをあわせた濃いめのつゆに、歯ごたえのある麺がよくあう。3月から11月頃までの期間限定メニューだが、大きな氷で締めたそうめんは見た目にも涼しいので、ぜひ暑い時期にオーダーしてほしい。一方で、ツウの間で好まれるあっさりとしただしが自慢の「にうめん」は通年で提供しているそうだ。正面入り口にかかる奈良麻のれんをくぐって、少しノスタルジックな気分を楽しんでみては。
- スポットの詳細
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そうめん處 森正
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御陵餅本舗
- 40年以上、変わらぬ味を守り続ける焼餅とおはぎの店
- 御陵餅本舗は創業41年目。店主である田代幸義(たしろゆきよし)さんが作る御陵焼餅と田舎おはぎを求めて、足繁く通う常連客も多い。通販は行っておらず、店を訪れた人だけが味わえる、今では希少な店だ。商品名の由来は、店の向かいにある崇神天皇陵。「御陵の前で商売をさせてもらっているので」という理由から、前方後円墳をかたどった焼餅を御陵焼餅と名付けた。使用しているのは、佐賀のひよく餅米と北海道十勝産あずき。「いろいろ試してみたが、ちょうどいい粘りとコシは佐賀のひよく米でしか出せない」と店主。御陵焼餅を手に取ると、つきたて餅のようなやわらかさにびっくり。すっきりとした甘さのあんこが口の中に広がり、思わず「もう1つ」と手が伸びてしまう。実はチョコレート好きという店主は、甘いあんこが苦手。「好きな味を追求していたら、甘さ控えめになってしまった」と教えてくれた。季節の行事にあわせて、月見だんごや柏餅、でっち羊羹、みたらしだんごなどを売り出す日も。閉店前に売り切れることも多いので、早めに訪れるのがおすすめだ。「このお店の味は変わらんなあ」といってくれるお客様のために、40年前と変わらぬ味を守り続ける。
- スポットの詳細
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御陵餅本舗
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室生山上公園芸術の森
- 公園全体がアート作品! 自然を体感できる芸術公園
- 世界的に有名な彫刻家、ダニ・カラヴァン(1930-2021)氏監修のもと、2006年(平成18)に室生の大自然を切り開いて造園された芸術公園。木々や芝生、水辺などの公園全体が風景彫刻であり、まさに自然をアートとして感じることができる空間だ。
- スポットの詳細
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室生山上公園芸術の森
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宇陀市歴史文化館 「薬の館」
- 江戸時代にタイムスリップ!? 薬問屋の歴史を伝える資料館
- 江戸時代に薬の街として栄えた宇陀松山(うだまつやま)にある「薬の館」は、藤沢薬品の創設者、藤沢友吉(ふじさわともきち)の生家を改修した建物。当時のレトロな看板や薬に関する貴重な資料のほか、当時の暮らしを身近に感じられる空間だ。
- スポットの詳細
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宇陀市歴史文化館 「薬の館」
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崇神天皇陵
- 高台から見渡せる圧巻の巨大さを誇る前方後円墳
- 天理市柳本町、国道169号線沿いにある崇神(すじん)天皇陵。小さな石が敷き詰められた広い道をジャリジャリと音を鳴らしながら進むと、高台に白く輝く拝所(はいしょ)が見える。国道169号線沿いにあるとは思えないくらいの静けさに包まれた神聖な空間。急な階段を上った先にあるのが全長242mを誇る巨大な前方後円墳「崇神天皇陵」だ。崇神天皇とは第10代の天皇にあたり、大和朝廷の創始者とされる人物。紀元前97年から紀元前30年に在位し、祭祀や軍事、内政など、王権国家の基盤を整えたとされている。その権威の強さは、天皇陵の広大さや高台の拝所、豊かな水に満たされた周濠などでうかがえる。周濠からは銅板や金銀細工品、埴輪、土器など、数々の遺物が出土した。地域の名前にちなんで「山辺道勾岡上陵(やまのべのみちのまがりのおかのうえのみささぎ)」、または「行燈山古墳(あんどんやまこふん)」とも呼ばれている。古墳の周りには歩道が設置されていて、ゆったりと巡ることができる。
- スポットの詳細
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崇神天皇陵
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景行天皇陵
- 最古の道「山の辺の道」沿いにある、自然に包まれた巨大前方後円墳
- 4世紀最大の古墳「景行(けいこう)天皇陵」は、日本に現存する最古の道として知られる「山の辺の道(やまのべのみち)」沿いにあり、自然豊かな景観が楽しめるスポットだ。国道169号線から少し足を踏み入れると、とても静かで神聖な空間が広がっている。拝所(はいしょ)に近づくと、その圧倒的な大きさに驚かされる。ここは、古墳時代前期の古墳群「柳本(やなぎもと)古墳群」のひとつで、全長300mという大きさを誇る前方後円墳「景行天皇陵」。出土した土器から築造年代は4世紀後半とされ、4世紀の古墳としては国内最大規模を誇る。『古事記』や『日本書紀』などで登場する日本武尊(やまとたけるのみこと)の父、第12代景行天皇の陵墓とされている。東側に延びる丘陵の尾根を利用した傾斜地に築かれており、周囲には田園が広がる。「山の辺の道」沿いにあることから、景観を楽しみながら体を休めることのできるスポットとして親しまれている。また、周囲には1kmにも及ぶ濠がめぐり、付随する小さい古墳も見られる。天理市と桜井市との境に位置し、アクセスは近鉄・天理駅、もしくはJR・桜井駅からバスに乗り換え、「渋谷」バス停で下車。駐車場もあるので車でのアクセスも可能だ。
- スポットの詳細
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景行天皇陵
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箸墓古墳
- 卑弥呼の墓とする学説も!?国内最古級の前方後円墳
- 飛び立つ水鳥、水面に映る空、別世界のような美しい景観。奈良県桜井市、南北をつなぐ国道169号線・箸中(はしなか)交差点の箸中大池をへだてた先に見える箸墓古墳は、全長280mを誇る国内最古級の前方後円墳として知られている。古墳時代前期の大規模集落である纒向(まきむく)遺跡南端に位置する。実際の被葬者は不明だが、宮内庁によって倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)の墓として管理されている。倭迹迹日百襲姫命とは『日本書紀』に登場する巫女的存在で、日本最古の神社「大神(おおみわ)神社」に祀られている、大物主命(おおものぬしのみこと)の妻となる人物。百襲姫を邪馬台国の卑弥呼(ひみこ)とする学説もあるが、古墳の巨大さから、当時の巫女的女性の権威の大きさがうかがえる。出土した埴輪などから、3世紀後半頃に建造された国内最古期・最大級の前方後円墳とされている。隣接する箸中大池は「ため池百選」のひとつに選定されていて、相まって美しい景観をなす。南側は田園が広がり、方角によって違った景観が楽しめる。箸墓という名前は、百襲姫の陰部に箸が突き刺さり絶命したという説話に基づく。
- スポットの詳細
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箸墓古墳
人気スポット
旅のヒント
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その1
山の辺の道はJRまたは近鉄天理駅、桜井駅が最寄り。全長約16kmの道のりをすべて巡るには1日がかりとなる。山の辺道自体をバスや電車で移動することはできないが、道と並行するように走るJR万葉まほろば線や路線バスを利用してコースを短縮することは可能。
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その2
山の辺の道にはゆるやかなアップダウンがあり、道幅が狭い場所や舗装されていない場所もある。歩きやすい服装がおすすめだ。
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その3
エリアの見どころはそれぞれ離れているので、1日ですべて巡るのは難しい。複数か所を巡る場合は近鉄大阪線が便利。
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その4
車で行く場合、大阪方面からは西名阪自動車道から天理IC、京都方面からは京奈和自動車道から木津IC、国道169号を利用。山の辺の道には駐車場がないので、起点とする場所周辺の駐車場情報の確認を。