京田辺・木津川

KYOTANABE / KIZUGAWA

奈良仏教とのゆかりが深い南山城の古仏巡礼

京都府最南端の南山城。現在は、京都・大阪・奈良のいずれからも好アクセスという立地を生かし、学術研究都市として国や企業の研究所、大学が集中するエリアだ。この地が開けたのは、奈良時代のこと。当時は、政治にも仏教の力が重んじられ、東大寺や興福寺などの巨大寺院が隆盛を極める。やがて、仏教は少しずつ北へ北へと広がり、山々を縫うように流れる木津川に沿って寺院が建立された。そこには、蟹満寺(かにまんじ)、大御堂観音寺、浄瑠璃寺の国宝仏をはじめとする、信じられないような仏像の名作が祀られている。また、笠置寺の巨岩に彫られた磨崖仏の大きさには驚くばかりだ。かと思えば、岩船寺周辺の当尾の里には、路傍に刻まれた素朴な石仏が点在する。さらに、室町時代には、あの「一休さん」が大徳寺の住職という立派な地位に就きながらも、みずからのために酬恩庵(しゅうおんあん)を構えた。京の都にはない、人をひきつける何かが南山城にはあるのだろう。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    酬恩庵一休寺
    とんちで有名な一休さんが晩年を過ごした、南山城の古刹
    日本でいちばん名の知られている僧侶というと、一休さんかもしれない。難問に得意のとんちで答える愛らしい姿はアニメでおなじみだ。その一休さんが終の棲家とし、今も眠りについている寺があるという。
    江戸時代初期に作庭された方丈庭園は、国の名勝に指定
  • spot 02
    大御堂観音寺
    国宝の正統派美仏・天平時代の十一面観音を訪ねて
    平城京を中心に花開いた奈良時代の仏教文化。その影響を色濃く受けた大御堂観音寺の本尊は、全国に7体しかない国宝の十一面観音菩薩のひとつだ。そのたおやかな姿は、奇跡のようだと評される。
    田園風景のなか、(左から)庫裡、本堂、鐘楼が並ぶ
  • spot 03
    蟹満寺
    カニの恩返しが伝わる寺に、奈良時代の国宝仏を訪ねて
    京都に平安京のできる以前から、奈良仏教の影響を色濃く受けていた南山城エリア。「カニの恩返し」が伝わる木津川市の蟹満寺では、物語ゆかりの観音菩薩と、奈良時代の国宝仏が地域の信仰を集めている。
    2010年(平成22)に落慶された本堂
  • spot 04
    笠置寺
    巨石に刻まれた弥勒磨崖仏の面影を訪ねて
    山々を縫うように流れる木津川を見下ろす笠置山。標高288mの山頂に伽藍を構える笠置寺の本尊は巨岩に彫られた石仏(磨崖仏:まがいぶつ)だ。付近の巨石を巡る修験道の修行場は遊歩道が整備され、大自然を満喫できる。
    京都と奈良の県境近くにある笠置山からの眺め
  • spot 05
    浄瑠璃寺
    9体の阿弥陀仏と浄土庭園に込められた平安の祈り
    浄瑠璃寺の境内の大部分は池。池を挟んで向かい合う横長のお堂と三重塔。そしてお堂の内部には、9体の阿弥陀仏が並ぶ。この寺では、特別名勝庭園に建つ、国宝建築の本堂で、国宝仏を拝するという、至福の体験ができる。
    浄土の池を前にたたずむ国宝の九体阿弥陀堂
  • spot 06
    岩船寺
    当尾にたたずむ三重塔と、四季折々に咲く花の寺
    奈良との県境に近い京都府南部の木津川市。奈良時代から鎌倉時代にかけ、静かな山里で真の仏教を求める僧たちの心をとらえた寺院があった。今も、境内はアジサイをはじめとする季節の花に彩られ、人びとの心を和ましてくれる。
    山門を額縁風にして望む色鮮やかな三重塔
  • spot 07
    当尾の石仏
    自然石に刻まれた磨崖仏を巡る山あいのさんぽ道
    数多くの石仏が残る当尾。かつて奈良仏教の修行の地として僧房が立ち並び、卒塔婆や石塔が連なって見えたことから「塔の尾根」と呼ばれ、それが転じて「当尾」になったといわれる。石仏の多くは鎌倉時代の作。平安末期の南都焼討ちからの復興の際に、朝鮮半島から来た石職人とその子孫がこの地に住み、石仏を造ったと考えられている。石仏巡りで人気があるのは岩船寺と浄瑠璃寺を結ぶ約2㎞。2寺院の間には標高差が100mほどあり、下りコースになる岩船寺を起点にする道が歩きやすい。里では野菜を売る吊り店を目にすることも多いが、やがて山道へと分け入る。阿弥陀三尊磨崖像は、その表情からわらい仏とも称される最も有名な石仏のひとつ。また、ミロクの辻と呼ばれる三叉路にも磨崖仏が彫られている。石仏は外から悪霊が入らないように村を守るとされ、道しるべの役割もあった。藪の中三仏磨崖像まで来れば、浄瑠璃寺はすぐそこ。春秋の穏やかな季節に歩きたい1時間弱のハイキングコースだ。
    阿弥陀如来が勢至菩薩と観音菩薩を従える阿弥陀三尊磨崖像
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旅のヒント

  1. その1

    車で巡るのが便利な南山城エリア。公共の交通機関を使う場合は電車、バスとも本数が少ないので事前確認は必須。

  2. その2

    京都駅から酬恩庵一休寺、大御堂観音寺へ向かう場合は近鉄線を使う。間違えて、JR奈良線に乗ってしまう例がよくあるので注意。

  3. その3

    浄瑠璃寺、岩船寺へは、JR加茂駅からコミュニティバスに乗るのがおすすめ。JR大和路線との連携もとれており快適に巡ることができる。

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