京都

西陣周辺

AROUND NISHIJIN

応仁の乱では西軍が陣を構えた、数々の歴史の舞台となった場所

西陣織で知られる、織物のまち・西陣。西陣という地名は、京都で11年も続いた「応仁の乱」の際、山名宗全率いる西軍が陣地を置いたことから、そう呼ばれるようになった。のちにこの辺りでは織物が盛んとなり、着物の帯などでよく知られる「西陣織」の産地となっていった。現在でも街を歩いていると「カタカタカタ・・・・・・」と機織り機の音が聞こえてくることも。豊臣秀吉による聚楽第や、徳川家康による二条城が築かれたのもこのエリア。応仁の乱だけでなく、数々の歴史の舞台にもなっている。京都駅から向かうなら、二条城へは地下鉄東西線の二条城前駅が便利だが、晴明神社や北野天満宮へはバスがおすすめ。行き先によってバスの系統が変わるので注意しよう。

recommend spot

エリアの見どころ

  • spot 01
    本法寺
    稀代の絵師・長谷川等伯と芸術家・本阿弥光悦ゆかりの寺院
    西陣にある日蓮宗の寺院。開祖の日親(にっしん)、絵師・長谷川等伯(はせがわとうはく)、芸術家・本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)の3人のエピソードが伝わっている。
    書院から見る本阿弥光悦作庭とされる巴の庭
  • spot 02
    元離宮 二条城
    徳川家康が築城! 数々の歴史舞台となった、幕府の権威を物語る城
    歴代15人の徳川将軍が権勢を受け継いできた徳川幕府。初代・家康が築城し、15代・慶喜が大政奉還の意思を表明した歴史の舞台が二条城だ。徳川幕府の栄枯盛衰のすべてを見てきた城郭に思いを馳せてみよう。
    どっしりとした東大手門。重要文化財で二条城の正門となっている
  • spot 03
    神泉苑
    平安京創建当時からある、空海ゆかりのスポット
    二条城のほど近くにある神泉苑は、空海(弘法大師)ゆかりの寺院である一方、源義経とも深いつながりがあることでも知られる。二条城の拝観とともにぜひ足を運びたいスポットだ。
    池は法成就池(ほうじょうじゅいけ)と呼ばれ、池に架かる朱色の橋は、法成橋(ほうじょうばし)と呼ばれる
  • spot 04
    晴明神社
    平安時代の陰陽師・安倍晴明公を祀る、京都・西陣のパワースポット
    映画や小説の主人公としても人気が高い安倍晴明公。平安時代に活躍した陰陽師だが、その安倍晴明公を祀っているのが京都・西陣にある晴明神社だ。魔除けや厄除けのご利益で親しまれる神社で、パワーをチャージしよう!
    境内の奥に位置する安倍晴明公を祀る「本殿」
  • spot 05
    一条戻橋
    陰陽師・安倍晴明ゆかり! いくつもの伝説が残る橋
    堀川一条にある小さな橋。一条戻橋という名前の由来は、平安時代にまでさかのぼる。平安時代に活躍した貴族の三善清行(みよしきよつら)が亡くなったことを知った、子の浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)が、その葬列に遭遇したという。父の死に目に会えなかった浄蔵は、嘆き悲しみ棺にすがって泣き崩れた。すると、驚くことに父が一時息を吹き返したという。このことから、この橋は「戻り橋」と呼ばれるようになった。京都では、嫁入りの際、この橋を渡ってはいけない、との習わしが残っている。また、陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)は、この橋の下に式神(しきがみ)を隠したともいわれる。晴明公を祀る晴明神社のほど近くなので、合わせて足を運びたい。
    反対側の欄干には「一條」と書かれている
  • spot 06
    西陣織会館
    京都を代表する伝統工芸品のひとつ、西陣織の魅力に触れる
    織物の街として知られる西陣には、現在でも織屋や問屋が点在する。西陣織の名称は知っているけれども、どうやってできているのかはよくわからないという方にぜひ立ち寄ってもらいたいのが、西陣織会館だ。
    手機を使った実演
  • spot 07
    千両ヶ辻
    かつては一日に千両ものお金が動いた!?  織物関係の老舗が並ぶ通り
    古くから織物の街として親しまれてきた、西陣(にしじん)。なかでも、大宮通と今出川通の交差点辺りは、とりわけ生糸や織物の問屋が多く立ち並ぶエリアだ。千両ヶ辻との名の由来は、かつて特に織物が盛んだった江戸時代には、一日に千両ものお金が動いたとされることから。現在でも織物関係の老舗が点在する一方、廃業したお店の建物や昔ながらの京町家をリノベーションしたカフェやショップ、ギャラリーも立ち並び、人気を集めている。毎年3月3日の桃の節句の頃には、「千両ヶ辻ひな祭り・桃の節句の彩り」を地域で開催。参加スポットでは、雛人形や雛飾りを見学できるほか、京町家の公開やこの日だけの西陣織製品の特別販売なども行っている。
    昔ながらの街並み散策を楽しめる
  • spot 08
    千本釈迦堂
    京都市街地で最古の木造建造物を誇る、西陣の歴史ある寺院
    応仁の乱の激戦地・西陣の地に、その戦いの歴史を見守ってきたお寺がある。鎌倉時代に創建された千本釈迦堂だ。地元の人を中心に信仰を集める、千本釈迦堂の歴史を紐解きに出かけよう。
    おかめ塚にある、おかめさんの像。やわらかな表情が印象的
  • spot 09
    千本ゑんま堂
    ゑんま様を祀る、この世とあの世の境目に建つお寺
    織物の街として知られる西陣の地に、閻魔様を祀るお寺がある。千本通沿いの千本ゑんま堂だ。一見恐ろしいイメージのあるゑんま様がなぜ祀られているのか、その秘密を探りに出かけよう。
    ゑんま様おみくじ。閻魔様のお腹の中におみくじが入っている
  • spot 10
    北野天満宮
    学問の神様・菅原道真公をお祀りする、全国天満宮総本社
    学問の神様・菅原道真(すがわらのみちざね)公をお祀りする北野天満宮。学問成就を願ってお参りする受験生や修学旅行生も多い、人気のスポットだ。全国でも屈指の梅の名所としても知られ、早春には境内全体が華やかな香りで包まれる。
    参道を進むと見えてくる楼門
  • spot 11
    長五郎餅本舗 境内茶店
    あの秀吉も愛した、400年続く由緒正しき和菓子
    学問の神様として親しまれる北野天満宮の境内にある茶店。毎月25日の「天神さん」と呼ばれる縁日の日や梅苑公開の時期、北野天満宮で行事が行われる日限定でオープンする。お店の歴史は古く、今から400年ほど前にさかのぼる。現在の当主はなんと21代目なのだそう。名物の「長五郎餅」もその頃から愛されてきた名品で、薄い餅の皮で甘さ控えめの餡を包んだ上品な味わい。1587年(天正15)に、太閤秀吉公によって開かれた「北野大茶湯」でも用いられたのだとか。店頭ではお土産としても購入できるが、9時から17時までは店内でお抹茶や煎茶とともに一服することができる。長五郎餅と季節の生菓子のセットも人気だ。お参りや縁日散策のひと休憩にぜひ立ち寄ってみて。
    長五郎餅と煎茶のセットは400円
  • spot 12
    天神市
    京都の伝統行事、菅原道真公ゆかりの毎月「25日」に行われる、にぎやかな御縁日
    菅原道真(すがわらのみちざね)公をお祀りする北野天満宮で、毎月決まって25日に行われる縁日は、「天神さん」として親しまれている。25日というのは道真公にゆかりの深い日にちで、御生誕日の6月25日と祥月命日の2月25日に由来している。この日は、参道に早朝の6時頃から、露店がずらりとならぶ。そのジャンルはさまざまで、骨董・古美術や古着をはじめ、その場で味わうことができるスイーツや食品、植物まで多種多様。お店の人とのやりとりも楽しいひとときだ。夕方からは境内がライトアップされ、350もの石燈籠と250の釣燈籠に明かりが灯される。境内一帯が幻想的な雰囲気に包まれるなか、縁日は日没まで続く。特に年内最後の縁日にあたる12月25日は「終い天神」と呼ばれ、お正月準備のため足を運ぶ人たちの姿で大変賑わう、京都の人たちにとっての年越しの風物詩になっている。
    一の鳥居の前から出店がずらりと並ぶ
  • spot 13
    史跡御土居
    美しい紅葉に包まれる! 秀吉公が築いた京都を守る大きな土塁
    豊臣秀吉公が、京都の都市改造の一環として築いた土塁を「御土居」と呼ぶ。1591年(天正19)に設けられたもので、全長約23kmにも及ぶといわれる。土塁は3.6mから5.4mにもなる高さで、敵から京のまちを守る城塞(じょうさい)である一方、紙屋川や鴨川の氾濫からまちを守る防災の役割もあった。時代とともに取り壊され、現在では所どころにその姿を残すのみとなっている。北野天満宮の境内西側には御土居が残り、現在では約350本の紅葉を誇る「もみじ苑」となっている。通常は非公開だが、毎年青もみじの4月上旬~6月下旬と、紅葉の10月下旬~12月上旬に特別公開され、美しい風景を楽しむことができる。展望所からは国宝の御本殿を始めとした御社殿群を望むことができ、ふだんとは違う角度からの眺望を存分に堪能できる。
    紅葉のシーズンはライトアップされる
  • spot 14
    上七軒
    北野天満宮の東に広がる、京都最古の花街
    学問の神様・菅原道真公を祀る北野天満宮。そのすぐ東側にある花街が上七軒だ。しっとりとした京情緒あふれる通りは、映画やドラマに登場することも多い。石畳が続く花街を歩いてみよう。
    昔ながらの風情あるお茶屋が並ぶ
  • spot 15
    老松 北野店
    舞妓さんもお気に入り!? 花街・上七軒にあるはんなりとした和菓子屋
    京都五花街のひとつ・上七軒(かみしちけん)にある和菓子屋。上七軒は、京都五花街のなかでも最も歴史があると伝わる花街で、石畳の風情のある通りが続く。老松は、そんな通り沿いにある京情緒あふれる和菓子屋で、暖簾をくぐると、店内には上七軒の芸舞妓さんのうちわが飾られるなど、芸舞妓さんにも愛されるお店だ。茶席菓子や婚礼菓子なども得意で、オーダーに合わせて誂えてもらうことも可能。名物は毎年夏ミカンの季節だけ登場する夏柑糖(なつかんとう)で、山口県の萩市で収穫する夏ミカンの果汁と寒天を合わせて、再び皮に流し固めた人気の和菓子。毎年4月1日から作り始め、その年の夏ミカンが終了するまでの期間のみ味わえる。贈り物にもぴったりの逸品だ。
    格子など京都らしいたたずまいのお店
  • spot 16
    大将軍八神社
    平安京の北西を守護した、方除けの神様を祀る神社
    妖怪ストリートとして知られる一条通にある大将軍八神社。平安京遷都の際に、方除の守護神として創建されたのが始まりで、1000年以上の歴史がある神社だ。陰陽道の大将軍神を祀る「大将軍堂」と呼ばれていたが、江戸時代初期に「大将軍社」と改められ、さらに明治時代の神仏分離令によって「大将軍八神社」となった。以来、素戔鳴尊(すさのおのみこと)を主祭神とし、御子八神柱を祀るとされる。方角の神様として信仰を集め、旅行や引っ越し、建築などのご利益を求めてお参りに来る人が多い。期間限定で公開される方徳殿の1階には、おごそかな神像がずらりと並ぶ。2階は資料室になっており、大将軍八神社の歴史がわかる資料や天文学や陰陽道に関係する貴重な資料を目にすることができる。
    本殿の前には、五芒星が記されたモニュメントが立つ
  • spot 17
    五辻の昆布
    地元で愛される老舗の昆布屋さんで、昆布の新たな可能性を発見!
    地元では「五辻さん」や「五辻の昆布屋さん」として親しまれる「五辻の昆布」。創業以来、昆布一筋の商売を続け、地元からの信頼も厚い店だ。店内には、昆布にこだわった味わい深い商品がそろう。
    本店は千本五辻の交差点にある。大きな看板が目印だ
  • spot 18
    茶道総合資料館
    裏千家歴代の家元が収集した茶道具や貴重な資料を公開
    茶道総合資料館は、茶道三千家のひとつ、裏千家によるミュージアムで、テーマに沿った企画展が催される「茶道資料館」と、文献や映像資料の閲覧もできる「今日庵文庫(こんにちあんぶんこ)」からなる。茶席も設けられていて抹茶とお菓子で一服できる。
    堀川通に面する建物「裏千家センター」内にある茶道総合資料館
  • spot 19
    京都市考古資料館
    発掘された出土物から千年の都の歴史と文化を紐解く
    館の前には大きな「西陣」と刻まれた石碑。ここが、応仁の乱で西軍の陣が置かれた付近であり、着物の町・西陣であることを実感できる。1914年(大正3)に本野精吾(もとのせいご)の設計により建築された旧西陣織物館を改装した京都市考古資料館が誕生したのは1979年(昭和54)のこと。埋蔵文化財の展示公開を目的とし、考古学ファンにとっては興味の尽きないスポットだ。玄関ホールでは、平安京ゆかりの出土遺物の企画陳列、ときには最近の調査成果を速報展として公開することも。その奥には特別展示コーナー。年2回の特別展示と大学との合同企画展が催される。2階の広々とした常設展は盛りだくさんの内容。原始時代から安土桃山時代までの歴史を約1,000点の考古資料で見る時代別展示をメインに、中国や朝鮮から陶磁器を通して交易を実証する国際都市・京都コーナーや、縄文時代の竪穴住居跡の実物大の複製が公開されている。なかでも特筆すべきはオープン展示。縄文時代や室町時代の考古遺物が展示されており、実際に触ることができる。過去の人々からのメッセージを受け取ることができる貴重な展示だ。
    近代建築の先駆的作品として貴重な建築
  • spot 20
    妙蓮寺
    十六羅漢の庭と鹿の襖絵に魅了されるアートな寺院
    鎌倉時代に宗祖・日蓮の孫弟子・日像(にちぞう)によって創建された寺院。長谷川派の手による障壁画や作庭家のこだわりが随所に感じられる庭園などを楽しめるアートに満ちた空間だ。
    十六羅漢石庭と呼ばれる書院前の枯山水庭園
  • spot 21
    鶴屋吉信
    菓子職人が目の前で作ってくれる上生菓子とお抹茶を
    数ある京菓子の老舗のなかでも広く世に愛されている一軒。西陣に店舗を構える本店では職人さんとの会話を楽しみながらできたての生菓子を味わえるなど、本店ならではの空間が広がる。
    生菓子実演1650円(抹茶付)。菓子は2種から選べる
  • spot 22
    釘抜地蔵
    心と体の痛みを取り除いてくれるお地蔵様を祀る
    寺院の正式名称は「石像寺(しゃくぞうじ)」。弘法大師が819年(弘仁10)に創建した古刹は「生きているお寺」、そんな表現がぴったりの寺院だ。今も竹の棒を持ちながら本堂の周りを回るお百度参りの人があとを絶たない。参拝者の心の拠り所となるのは、弘法大師が唐から持ち帰った石に自ら刻んだ地蔵菩薩。あらゆる苦しみを取り除く「苦抜地蔵」として信仰を集めていた。時は流れて室町時代、紀の国屋道林という豪商が手の痛みに苦しむ。石像寺で願をかけたところ「前世で人形に釘を打ち呪いをかけたことがある。神通力で呪いの釘を抜いてやろう」と苦抜地蔵が夢枕に立った。目覚めると手の痛みは消え去り、寺には朱に染まった八寸釘が2本置かれていたという。以来、「苦抜地蔵」が転じて「釘抜地蔵」と呼ばれるようになった。本堂の壁は願い事が叶ったお礼に奉納されたお礼絵馬で埋め尽くされ、信仰のあつさを物語っている。また、本堂のすぐ裏の阿弥陀堂には見事な石仏が安置されている。1体の仏様を台座から光背までひとつの石から刻み出した貴重な例だ。さらに、弘法大師が自ら掘り、加持祈祷にその水を使ったという井戸が今も境内に湧く。
    本堂の前には堂本印象(どうもといんしょう)による釘抜きのモニュメント
recommend spot

人気スポット

recommend spot

旅のヒント

  1. その1

    二条城は広く見どころがたくさんあるので、ゆったりとしたスケジュールを組むのがおすすめ。

  2. その2

    北野天満宮は毎月25日に縁日「天神さん」を行う。早朝から夜まで賑わうので、一日の始まりか終わりにぜひ立ち寄ってみよう。

  3. その3

    西陣には、昔ながらの街並みに溶け込むように店を構えるおしゃれなカフェが点在。店主こだわりの一杯を味わえることが多いので、見つけたら足を運んでみて。

  4. その4

    上七軒は京都五花街のひとつ。石畳の風情のある道は、ロケ地にも使われる。

recommend spot

関連記事

記事一覧
recommend spot

モデルプラン

京都のその他のエリア

+ -
back
open

西陣周辺エリア