松阪・津

MATSUSAKA / TSU

平安貴族から江戸時代の武士や豪商まで、人々の暮らしをリアルに体感

南北に長い三重県の中央に位置するエリア。室町・戦国時代から江戸時代にかけて、政治的・経済的に重要な拠点として大きく発展し、当時を偲ぶ史跡が数多く残っている。なかでも、松坂城を築いた蒲生氏郷(がもううじさと)は商業の発展にも熱心だったため、松阪市では数多くの豪商が誕生。「旧小津清左衛門家(きゅうおづせいざえもんけ)」など、現在では内部を公開している住宅がいくつかあり、江戸時代の武士や豪商のリアルな暮らしを知ることができる。また、松阪木綿の機織り体験や、日本三大和牛に数えられる松阪牛などの名物グルメを楽しみに訪れる人も多い。さらに、松阪市の東隣にある明和町では、伊勢神宮に仕えた斎王の住まう宮殿跡「斎宮跡」がいたるところから発掘されている。出土品を保管展示する「斎宮歴史博物館」や、平安貴族の暮らしを体験できる「いつきのみや歴史体験館」と合わせて見学すると、斎宮が最も繁栄していた平安時代の空気を肌で感じることができるだろう。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    松坂城下町
    商人や武士が闊歩した江戸時代の面影を残す町並み
    蒲生氏郷(がもううじさと)によって松坂城の築城と並行して整備され、「松坂」と名づけられた城下町。1889年(明治22)の町制施行にともない「松阪」と表記を変更したが、当時の町割りや水路は、今も大切に守られている。
    町家の向こうに理髪店のサインポールや赤いポストが見えるなど、今と昔が混ざり合った風景に出合える伊勢街道
  • spot 02
    御城番屋敷
    江戸時代にタイムスリップ!? 19戸の武家住戸が集まる
    松坂城の警備任務に当たる紀州藩士の住居として建てられた「御城番屋敷」。現在は子孫が住まうほか、借家として活用されている。西棟北端の1戸は内部を一般公開。武家屋敷ならではの構造や展示物も見ものだ。
    松坂城二ノ丸跡からの眺め。「御城番屋敷」の全景を見下ろせる
  • spot 03
    松阪市立歴史民俗資料館
    松阪の歴史や文化をさまざまな資料から読み解く
    「松坂城跡(松阪公園)」内にあり、1978年(昭和53)に開館した資料館。宿場町としての繁栄、蒲生氏郷(がもううじさと)と松坂城、松阪木綿にまつわる常設展示と、年4回程度の企画展を行っている。展示室に入るとまず目に飛び込んでくるのが、「黒丸子」の大看板。「黒丸子」とは伊勢街道沿いで薬種商を営む桜井家が調製した腹痛薬で、看板は書画の大家として名高い池大雅(いけのたいが)が手がけたものだ。黒漆に金箔という豪華な仕上がりに、当時の繁栄ぶりがうかがえる。松坂城の発掘調査によって出土した屋根瓦の実物展示も興味深い。松坂城は天守などの建物がすべて失われているだけに、実物展示は当時の城の姿を想像させる貴重な資料となっている。また、2021年(令和3)には資料館2階を小津安二郎松阪記念館としてオープン。9歳から19歳までを松阪で過ごした映画監督・小津安二郎の青春時代や、映画に目覚めたルーツなどを紹介している。
    1912年(明治45)に建てられた建物は、近代における伝統的和風建築として国の有形文化財に登録されている
  • spot 04
    松阪もめん手織りセンター
    機織り体験も人気! 江戸っ子を魅了した粋な松阪木綿
    松阪では、伊勢神宮へ奉納する布を織る機織りの技術が古くから根付いていた。ここに、16世紀から本格化した木綿栽培、17世紀初期に発達した高度な染め技術が結びつき、松阪木綿が誕生。松阪商人たちが売り広めることで、「粋」の代名詞として江戸で一大ブームを巻き起こした。このような背景から「松坂木綿の紡織習俗」は国の無形民俗文化財に選定され、今もその伝統は大切に守り伝えられている。松阪木綿の特徴は、正藍染めの糸で織る多彩な縞模様。使い込んでいくうちに色合いが変化し、風合いが増してくる。現在は反物だけでなくバッグ、ストール、ファッション小物、文房具などさまざまなアイテムとして販売。「松阪もめん手織りセンター」などで購入できる。また、「松阪もめん手織りセンター」では松阪木綿の機織り体験を実施。プチ織姫体験なら所要時間は1時間ほどで、価格も1300円とお手頃だ。幅15cm、長さ20cmの小物敷を作れる。
    江戸では「松坂嶋」と呼ばれた松阪木綿。滝縞、鰹嶋、棒嶋など、伝統的な柄には名前が付いている
  • spot 05
    本居宣長記念館・本居宣長旧宅(鈴屋)
    江戸中期に活躍した国学者・本居宣長の足跡をたどる
    松阪市に生まれ育った本居宣長は、古事記を解読した『古事記伝』を刊行するなど、日本文化史上において偉大な功績を残した国学者。「本居宣長記念館」には、宣長の著書や蔵書、遺品など約1万6000点が収蔵されている。記念館は2階まであり、1階では宣長の功績や人柄をわかりやすく紹介、2階では年4回の企画展で収蔵品を公開している。さらに、記念館の入館料で本居宣長旧宅「鈴屋」も見学できる。12歳から亡くなる72歳まで宣長が住んでいた家を、松坂城隠居丸跡に移築したものだ。医者を本業としていた宣長は、1階の「店の間」で診察することもあった。その奥には客人を迎える「中の間」、さらに奥には宣長の勉強部屋であり授業を行う教室でもあった「奥の間」があり、1階は靴を脱いで中を見学できる。2階は53歳のときに増築した書斎になっており、この部屋は外から見学できるようになっている。
    記念館1階は、映像やタッチパネル、クイズなど楽しい展示で構成
  • spot 06
    松坂城跡 (松阪公園)
    全国屈指の石垣や、複雑に入り組んだ縄張が見どころ
    「日本100名城」のひとつに数えられる松坂城は、南伊勢入り口の重要な拠点として築かれた平山城だった。残念ながら現存する建物はないものの豪壮な石垣が残っており、「松坂城跡」として国の史跡に指定されている。
    松坂城表門跡から入城したところ。右に進むと本丸下段跡、左に進むと二ノ丸跡に至る
  • spot 07
    旧小津清左衛門家
    松阪商人の暮らしぶりを想像できる、見事な建物と貴重な資料
    三井家・長谷川家などと並ぶ豪商として隆盛を極めた松阪商人・小津家の本宅。現在の敷地は全盛期の約5分の3だが、江戸いちばんの紙問屋といわれた小津家の繁栄ぶりを十分に感じられる。
    現存する主屋は1700年前後に建てられたもので、木造2階建て。屋根には卯建(うだつ)が上がる。平入(ひらいり)の様式が用いられている。
  • spot 08
    牛銀本店
    肉の芸術品とうたわれる松阪肉の甘い香りととろける食感を堪能
    日本三大和牛のひとつに挙げられる松阪牛。その魅力は甘くコクのある香りと、とろけるような食感にある。これを最大限に引き出せる調理法が、すきやきとしゃぶしゃぶだ。城下町の面影を色濃く残す魚町筋にある「牛銀本店」は、1902年(明治35)創業の老舗。「東京でも通用する牛を」との思いで優良牛の肥育方法を農家に伝授した創業者・小林銀蔵氏は、松阪牛の品質や知名度の向上に尽力した功労者のひとりだ。店は精肉店として評判となったのち、牛鍋と牛めしを看板メニューに牛肉料理店を始め、現在はすきやきやあみ焼で松阪牛を堪能できる名店として知られている。肉の目利きと熟成によって、なんともいえないかぐわしさと食感を生み出す技は、代々積み重ねてきた経験と勘によるもの。目の前で繰り広げられる仲居による調理にも、おいしさを生み出す技が隠されている。また、隣にある姉妹店の「洋食屋牛銀」では、松阪牛のステーキやカレー、ハンバーグなどを味わえる。
    すきやきはご飯、味噌汁付きで1人前8833円-。写真は2人前
  • spot 09
    斎宮跡
    のどかな風景に、祈りの姫が過ごした古代都市が眠る
    斎宮とは、天皇に代わり伊勢神宮に仕えた斎王(さいおう)の住まう御殿のこと。斎王制度が終焉を迎えた南北朝時代以降、約700年間、幻の宮とされていた。いまだ全貌が謎に包まれたロマンあふれる史跡を訪ね歩こう。
    10分の1に縮小された「斎宮跡」の全体模型を見ると、かつての様子をリアルに知ることができる
  • spot 10
    いつきのみや歴史体験館
    斎王(さいおう)や平安貴族になりきるユニークな体験が人気
    斎宮(さいくう)が最も栄えた平安時代の文化や日常生活を体験できる施設。斎宮とは、天皇に代わり伊勢神宮に仕えた斎王(さいおう)の住まう御殿のことだ。当時の上流貴族の住まいである寝殿造をモデルにした建物の中に入ると、まず目に飛び込んでくるのが小さい輿(こし)。屋根の上に玉ねぎのような装飾があることから、葱華輦(そうかれん)と呼ばれている。これは、斎王が都からやってくる群行(ぐんこう)に用いられた輿の復元であり、斎王のほかには天皇、皇后しか許されない特別な乗り物だった。ほかにも、貴族たちが夢中になったゲームで実際に遊んだり、平安時代に使われていた地機(じばた)や初心者でも扱いやすい高機(たかばた)を使って機織りをしたり、と平安時代にタイムスリップしたかのような体験ができる。平安貴族がまとった香りの材料や、衣装・靴など、斎王たちの暮らしに不可欠だったアイテムも実物を展示する。人気だった平安装束試着体験など一部の体験メニューは、2021年(令和3)12月現在コロナ禍につき休止中。
    斎王が都からやってくる際の乗り物、葱華輦(そうかれん)を復元して展示。実際に人が乗れるように作られている
  • spot 11
    斎宮歴史博物館
    「斎宮跡(さいくうあと)」の出土品が見られる博物館
    1970年(昭和45)、宅地開発にともなう調査によって「斎宮跡」が発見された。斎宮とは、天皇に代わり伊勢神宮に仕えた斎王(さいおう)の住まう御殿のことで、以降、現在も発掘調査が続いており、出土品や調査成果は「斎宮歴史博物館」で見ることができる。展示エリアは「文字からわかる斎宮」をテーマにした常設展示室1、「ものからわかる斎宮」をテーマにした常設展示室2、映像展示室の3部屋。常設展示室1では、斎宮研究の基本文献である『延喜式』をはじめ、『伊勢物語』や『源氏物語』といった古典文学の描写も参照しながら斎宮の実態を究明。常設展示室2では、実際に発掘された出土品や、発掘調査によって明らかになった成果を紹介。国の重要文化財に指定されている貴重なものも数多く展示されている。映像展示室では、斎王群行と、斎宮での暮らしぶりを紹介する映像を上映。美しい映像と音楽で、雅な世界を存分に堪能できる。
    斎王(さいおう)の都から伊勢への旅「群行(ぐんこう)」の様子をミニチュア模型で表現
  • spot 12
    松阪農業公園ベルファーム
    産直市場やイングリッシュガーデンを備える自然豊かな公園
    2004年(平成16)にオープンした「松阪農業公園ベルファーム」は、食育や緑育をテーマにした農業公園。池や芝生広場を含む約23万平方メートルという広大な敷地内にイングリッシュガーデン、カフェ、産直市場などがある。
    グリーンで覆われたガゼボは、散策の休憩スポットに最適。イングリッシュガーデン内の、チェルシーガーデンにある
  • spot 13
    おやつタウン
    大人も子どもも楽しめるベビースターラーメンのテーマパーク
    1959年(昭和34)生まれの人気菓子ベビースターラーメンのテーマパークが、発売60周年を迎えた2019年(令和元)にオープン。2021年(令和3)にリニューアルをして新アトラクションが加わり、さらにパワーアップしている。
    ベビースターキャラクターのホシオくんやブタメンくんが園内のあちこちに登場
  • spot 14
    三重県立美術館
    ムリーリョ、モネ、シャガールなど有名画家の作品を常設展示
    江戸時代以降に制作された三重ゆかりの美術、日本・西洋の近現代美術、スペイン美術を中心に6000点以上ものコレクションを所蔵。開館20周年となる2003年(平成15)にリニューアルし、「柳原義達記念館」もオープンした。
    エントランスホール壁面に設置されている多田美波『曙』。見る角度によって印象が変わる
  • spot 15
    三重県総合博物館 (MieMu)
    三重の風土をまるっと凝縮! 遊んで学べる総合博物館
    三重の自然、歴史、文化を紹介する総合博物館として、2014年(平成26)に開館。展示エリア、交流創造エリア、ミュージアムフィールドの3エリアがあり、講座やフィールドワークなど参加型のイベントも随時行っている。
    日本初となるミエゾウの全身骨格復元標本。国内で発見された陸上の哺乳類としては最大サイズ
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旅のヒント

  1. その1

    公共交通機関で松阪エリアを訪れる場合は、JR紀勢本線・近鉄山田線松阪駅で下車。「松坂城跡(松阪公園)」までは徒歩15分ほどで、城下町の風情やおもな見学施設も歩いて巡ることができる。

  2. その2

    車で松阪エリアを訪れる場合は、伊勢自動車道松阪ICで下車。観光スポットの集まる「松坂城下町」までは車で10分ほど。「松坂城跡(松阪公園)」の北にある松阪市駐車場(無料)などに車を停めて城下町を散策したい。

  3. その3

    「三重県立美術館」から「三重県総合博物館(MieMu)」までは車で3分ほどで移動できる距離。「三重県総合博物館(MieMu)」で三重の自然、歴史、文化を知り、「三重県立美術館」で三重にゆかりのある作品を鑑賞して、三重に触れるツアーをしてみるのも一興だ。

  4. その4

    「斎宮跡」は、松阪から伊勢へ向かう途中にある。松阪エリアを観光したあと、近鉄山田線斎宮駅で下車し徒歩で散策するのがおすすめ。松阪エリアに続き「斎宮跡」の歴史を感じ、当時の様子をイメージしてみては。

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