山梨
勝沼・石和温泉
KATSUNUMA / ISAWA ONSEN
ブドウ畑が一面に広がる甲州ワインのふるさと
国産ワイン発祥の地であり、ワインの生産量、ワイナリーの数ともに日本一。2019年(令和元)には「ワイン県」宣言をした山梨県のなかでも一大生産地として知られるのが、甲府盆地の東端に位置する勝沼・石和温泉エリアだ。土砂が堆積して形成された扇状地を中心にブドウ畑が広がり、40を超えるワイナリーが点在している。その中心地は、江戸時代、旧甲州街道の宿場町として栄え、当時からブドウの栽培が盛んだった勝沼。明治時代には、日本で初めての民間ワイン醸造所がこの地に創立され、国産ワイン製造のさきがけとなった。ここでの楽しみは、やはりワイナリー巡り。ガイド付きのツアーに参加したり、ワイナリー限定販売のワインをおみやげにしたりと、楽しみは尽きない。観光のあとは、石和温泉郷で旅の疲れを癒やすのもいいだろう。ブドウ園から湧いたという温泉の湯は、刺激が少なく、リラックス効果抜群だ。
エリアの見どころ
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シャトー・メルシャン勝沼ワイナリー
- 歴史ある日本ワインブランドの体験型ワイナリー
- 日本ワインを代表するブランド「シャトー・メルシャン」。醸造所のひとつである勝沼ワイナリーでは、ツアーやテイスティングを通して醸造過程や文化にも触れながら、ワインの奥深い世界を楽しむことができる。
- スポットの詳細
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シャトー・メルシャン勝沼ワイナリー
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シャトー・メルシャン ワインギャラリー
- 勝沼ワイナリー限定販売のワインをテイスティング
- シャトー・メルシャン勝沼ワイナリーの敷地内にある施設で、ワインショップにテイスティングカフェが併設されている。醸造所をまわり、厳選されたワインをセミナー形式で試飲するツアーには予約が必要だが、ここでは予約なしで試飲を楽しめる。3種類のワインの飲み比べができるテイスティングセットは、品種の個性を楽しむものなど4パターン(2000-4500円)。シャトー・メルシャンのワインを練り込んだ冷製チーズ「ワイン・フォンデュ」など、軽いおつまみと合わせて楽しみたい。ブドウ棚の下に設けられたテラス席でいただけば、雰囲気も満点だ。ワインショップでは、勝沼ワイナリー限定ワインも扱っている。たとえば、ツアーで訪ねる祝村ヴィンヤードのブドウで造られるワインは、毎年200本ほどしか生産されない希少なものだ。
- スポットの詳細
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シャトー・メルシャン ワインギャラリー
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シャトー・メルシャン ワイン資料館
- 日本ワインの歴史を最古の木造醸造所跡で学ぶ
- シャトー・メルシャン勝沼ワイナリーの一角にある資料館。1904年(明治37)に建てられた、現存する最古の木造ワイン醸造所「旧宮崎第二醸造所」を改装したもので、日本ワインの誕生とその変遷、シャトー・メルシャンの歴史を知ることができる。展示されているのは、明治期以降、実際に使われていた醸造器具、樽、ラベルの変遷など。水車の力でブドウを破砕するなど、道具や資料が数多く展示されており、当時の醸造の様子がよくわかる。なかでも1879年(明治12)産の「高野家ワイン」は必見。ワイン醸造を学ぶため、土屋龍憲(つちやりゅうけん)とともにフランスに渡った高野正誠(たかのまさなり)が帰国後初めて醸造した、日本最古とされる貴重な国産ワインだ。
- スポットの詳細
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シャトー・メルシャン ワイン資料館
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岩間ベーカリー
- 生のブドウで作られた甲州銘菓「月の雫」を販売
- 上白糖を練り上げて作った蜜で、生の甲州ブドウの実を皮付きのままコーティングした郷土菓子「月の雫」。その歴史は古く、江戸時代、1723年(享保8)のある秋の日、和菓子屋の棚の上にあったブドウの実が、砂糖の蜜煮鍋に落ちてしまったことが誕生のきっかけとなった。すくい上げたブドウの実は、砂糖がけした愛らしい菓子に変身。当時の甲府城主であった柳沢吉里に献上したところ、たいへん気に入り、「月の雫」と命名した。9月初旬(ブドウの生育状況によって変わる)から1月中旬にかけて、この菓子を販売しているのが、岩間ベーカリーだ。昔ながらの手作業で一粒一粒ていねいに仕上げたもので、まるごと口に含んで噛むと、生ブドウの果汁が口いっぱいに広がる。砂糖の甘みとブドウの酸味が調和し、上品な味わいの菓子。秋に甲州を訪ねるなら、お土産にしたい逸品だ。
- スポットの詳細
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岩間ベーカリー
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ルミエールワイナリー
- ワイン醸造の歴史遺産をもつ老舗ワイナリー
- 19世紀からの長い歴史をもつワイナリー。ワインの試飲を楽しめるほか、地下セラーの見学ツアーも行っている。併設のレストランでは、地元の食材を使ったフレンチをワインとともに味わえる。
- スポットの詳細
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ルミエールワイナリー
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ワイナリーレストラン ゼルコバ
- 山梨の食材を使ったワインに合う料理を楽しめる
- ルミエールワイナリーの施設内にあるレストラン。光をたっぷり採り込む開放的な店内からは、一面に広がるブドウ畑や雄大な南アルプスを望むことができる。1~2か月おきに内容が変わる\は、気軽に楽しめるハーフコース(前菜+メイン+デザート)の「ゼルコバ」、魚料理、肉料理ともにサービスされる「ルミエール」、高級甲州和牛を堪能できる「セゾン」の3種類。甲斐サーモン、甲州ビーフ、イワナ、クレソン、桃、ブドウなど、いずれも山梨産の旬の食材を軸に構成したもので、ルミエールのワインとともに、極上の「ヤマナシ・フレンチ」を味わえる。車を運転する場合は、ワインヴィネガーを使った微炭酸の爽やかなノンアルコールドリンクを合わせるのもおすすめだ。
- スポットの詳細
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ワイナリーレストラン ゼルコバ
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甲州市勝沼 ぶどうの丘
- 甲州産ワインをこころゆくまで味わえるスポット
- 甲州産ワインを専門に扱う甲州市運営の施設。豊富な種類のワインをテイスティングできるカーヴ、パノラミックなレストランや温泉を備え、ワインをとことん楽しみたい人におすすめだ。
- スポットの詳細
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甲州市勝沼 ぶどうの丘
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旧高野家住宅・甘草屋敷
- 伝統的な建築様式や暮らしを伝える甲州民家
- 江戸時代から明治初期にかけて、薬用植物である甘草を幕府に納めていた高野家の屋敷。当時の養蚕農家の典型とされる造りで、歴史と伝統を伝える貴重な例として、国の重要文化財に指定されている。
- スポットの詳細
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旧高野家住宅・甘草屋敷
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ハーブ庭園旅日記勝沼庭園
- 四季折々の花とハーブを楽しめる庭園
- フルーツの里として知られる甲州市勝沼町にある洋風の大庭園。約3万㎡の広大な敷地に約200種類ものハーブとバラ、季節の花々が植えられ、1年を通して楽しむことができる。
- スポットの詳細
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ハーブ庭園旅日記勝沼庭園
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桔梗信玄餅工場テーマパーク
- お菓子の詰め放題やアウトレットショッピングも楽しめる
- 山梨を代表する名菓「桔梗信玄餅」。その本社工場敷地内に、特別価格で購入できるショップや郷土料理のレストランをオープン。お菓子の「詰め放題」もあり、人気を集めている。
- スポットの詳細
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桔梗信玄餅工場テーマパーク
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山梨県立博物館 かいじあむ
- 展示室の演出が秀逸な体験型ミュージアム
- 山梨県の旧国名である「かい(甲斐)」と「ミュージアム」を組み合わせて名づけられた「かいじあむ」。ジオラマなど工夫を凝らした展示で、山梨県の歴史や自然、文化を楽しく学ぶことができる。
- スポットの詳細
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山梨県立博物館 かいじあむ
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萩原フルーツ農園
- フルーツ狩りのあとは眺めの良いカフェでひと休み
- 甲府盆地の南斜面には、名産の桃やブドウ果樹園の果樹園が広がる。フレッシュなフルーツをぜひ現地で堪能したいもの。果樹園の合間を走る広域農道「フルーツライン」沿いにある「萩原フルーツ農園」は、5~9月のみ営業し、もぎたてのフルーツをその場で味わえる。フルーツ狩りを楽しめるのはサクランボ(6月前半の約2週間)、桃(6月末~8月上旬)、ブドウ(8月中旬~9月中旬)の3種類。石が多く水はけの良い土壌、昼と夜の寒暖差など、理想的な環境で育てられた果実は甘みが強く、ジューシーだ。心ゆくまで味わいたいという人には、着席でいただく「食べ放題」コースもある。併設の「やまきやカフェ」は、築100年を超える古民家を改装したもの。木の梁が交差する中央に据えられた大黒柱は、重要文化財に指定されている窪八幡神社の鳥居と同じ木材を使い、触れれば幸運が訪れるとか。富士山を望むテラス席もあり、絶景を楽しみながら、自分で収穫したフルーツやパフェを堪能できる。
- スポットの詳細
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萩原フルーツ農園
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古今亭
- 笛吹市の新名物になっている麺料理「ラーほー」
- 山梨の郷土料理といえば、平打ち麺と野菜などを煮込んだ「ほうとう」が有名。この麺をラーメンスープでいただくのが、「ラーほー」。より多くの人に「ほうとう」を食べてもらいたいという思いで開発された、笛吹市の新ソウルフードだ。今では、食べ歩きスタンプラリーが開催されるほど、多くの店で提供されている。石和温泉郷にある「古今亭」もその1店。もともと田舎料理の店だが、テレビ取材を受けるなど「ラーほー」のおいしい店としても知られるようになった。特注の麺で作るラーほーのスープは、鶏ガラベースの塩味と、さらに魚粉を加えた醤油味の2種類。平打ちの麺はスープがよくからみ、違和感はまったくない。笛吹市に来たら、ぜひ試してみたい名物料理だ。
- スポットの詳細
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古今亭
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山梨県笛吹川フルーツ公園
- 山梨の大地の恵みを五感で楽しむテーマパーク
- 日本一の生産量を誇る桃やブドウの里、また国産ワイン発祥の地でもある山梨県。フルーツ公園は、そんな山梨の豊かな風土や生産物について、さまざまな体験を通じて知識を深め、楽しめるテーマパークだ。
- スポットの詳細
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山梨県笛吹川フルーツ公園
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槌や
- ナチュラルな味わいの「甲州かすてら」をおみやげに
- 石和温泉駅からまっすぐ延びる駅前通りを歩いて約5分。料理のクオリティが高いと評判の老舗旅館「糸柳」の一角にある洋菓子店。「槌や」の名は、旅館の創業時の名称「槌屋」に由来している。店は旅館と連絡しているが、独立した入り口があり、宿泊しなくても利用できる。看板商品は、添加物を使わず、山梨県産のハチミツと卵などシンプルな素材で焼き上げた「甲州かすてら」。ふんわりとした食感で、卵の風味はしっかり。初めてなのにどこか懐かしさを感じさせる味だ。プレーン、黒糖、抹茶、和三盆の4種類のフレーバーがあり、切り分けた1カットから買えるのもうれしい。カステラの耳を乾燥させてラスク風にした「ドライかすてら」も販売している。湯上がりのお茶請けにしてはいかが。
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槌や
人気スポット
旅のヒント
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その1
ワイナリーが集まる甲州市勝沼エリアの最寄り駅は、塩山駅または勝沼ぶどう郷駅。新宿発のJR線沿線にあり、塩山駅へは甲府終点、もしくは松本終点の特急で約1時間20分。勝沼ぶどう郷駅は、週末のみ特急が停車し、甲府終点、もしくは松本終点の特急で約1時間25分。平日は大月で乗り換えで約1時間50分。
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その2
試飲を楽しみたいときは、ワイナリーを回遊する「ワインタクシー」を利用するのも一案。
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その3
石和温泉へは、新宿発のJRで石和温泉駅下車。甲府終点、もしくは松本終点の特急で約1時間30分。
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その4
東京都心から車で行く場合、中央自動車道を経由し、所要約1時間40分。