石川

七尾

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豊かな自然と歴史ロマンあふれる能登の要所

能登半島のほぼ中央に位置する七尾市は、かつて日本最大級の山岳城、七尾城が築かれていた場所で、城山にあった松尾、竹尾、梅尾、鶴尾(菊尾)、亀尾、竜尾、虎尾という7つの尾根が地名の由来とされる。七尾湾に面し、東に山々、南には平地が広がる自然豊かな地域で、山海の幸にも恵まれており、いつ訪れても四季折々の景色と味覚が楽しめる。平2011年(平成23)6月、世界食糧農業機構(FAO)により、日本および先進国で初めて世界農業遺産に登録された「能登の里山里海」の一部でもある。また、石川県のなかでも特に高い人気を誇る和倉温泉は七尾にある。開湯1200年。加賀藩前田家3代・利常によって湯治場として整備され、今につながる発展を遂げた歴史も有する。全国でも珍しい海に湧く温泉であり、塩分を含んだ湯に浸かれば体が芯から温まる。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    和倉温泉
    波穏やかな七尾湾を望む、潮風と歴史が香る温泉地
    凪の七尾湾やぽっかりと浮かぶ能登島など美しい海景色が広がる和倉温泉。手厚いおもてなしを身上とする宿が立ち並ぶ北陸随一の温泉地だ。立ち寄り専用の温泉施設や足湯などもあり、効能豊かな湯を気軽に楽しめる。
    湯元の広場には開湯伝説にちなんだシラサギの像があり、源泉も湧き出る
  • spot 02
    和倉温泉総湯
    加賀藩主も愛した和倉の湯を気軽に楽しめる共同浴場
    和倉温泉総湯は1641年(寛永18)、加賀藩前田家3代、利常が海上に湧く温泉の源泉周囲を埋め立て、湯島を整備して建てた茅葺きの小屋がルーツ。1200年間湧き続ける温かな湯が今も昔も老若男女の心と体を癒やしている。
    タオルの販売も行っており、思い立ったら手ぶらでも温泉を楽しめる
  • spot 03
    ル ミュゼ ドゥ アッシュ辻口博啓美術館
    能登が生んだ世界的パティシエのアートとスイーツを味わう
    七尾市出身の世界的パティシエ、辻口博啓氏のミュージアム&カフェ。美術館には砂糖の芸術作品、シュークルダールなどを展示。氏が「菓子作りの原点」と公言する七尾湾内の世界を表現した「海の中の銀河」は幅8mの超大作。LEDで照らす光の演出により、スイーツが持つ無限の可能性を表現している。おもてなしや居心地の良さも大切にする辻口氏らしく、カフェは窓の外に広がる七尾湾の風景を取り入れた開放的な空間。ショーウインドーには季節限定品も含め常時20種ほどのケーキが並び、お土産に最適なドーナツ、パウンドケーキなどの焼菓子もそろう。揚浜塩やのとミルクのほかブルーベリー、能登栗、五郎島金時(さつまいも)といった季節の味覚まで能登や石川県産の素材を積極的に取り入れ、香りや食感の重なりまで計算されたスイーツは洗練の味わい。色合いや見た目の華やかさも優雅なティータイムにぴったりだ。
    写真左から「クロレ」、「セラヴィ」、「ZEN-ゼン-」。オレンジコンフィチュールが爽やかな「クロレ」は和倉店限定
  • spot 04
    石動山
    あつく信仰された霊山の盛衰をたどってみよう
    石動山は古より霊山としてあがめられ、北は青森から南は大阪まで135近い分霊社を生んだ山岳信仰の拠点。現在は礎石や石垣などが往時をしのばせる史跡となっており、広大な史跡の一部は「能登歴史公園」としても整備されている。
    1701年(元禄14)建立の伊須流岐比古(いするぎひこ)神社拝殿(旧神輿堂)。後方にある覆屋(おおいや)に囲まれた本殿は、明治に入り山頂から移築した。裏手には五重塔の礎石が残る
  • spot 05
    のとじま水族館
    子どもに大人気! 海の生き物の生態を楽しみながら学べる
    能登半島沿岸に生息したり、近海を回遊したりする魚を中心に約500種の海の生き物を展示する水族館。本来の姿を観察できる立体水槽や生態を生かしたショー、触れ合い体験など多彩な楽しみ方ができる。
    能登島の北側に立地。バス利用ならJR和倉温泉駅から能登島交通バスのとじま臨海公園行きで約30分
  • spot 06
    石川県能登島ガラス美術館
    ユニークな建物とともに楽しむガラス工芸の世界
    国内初のガラス芸術をテーマにした美術館として建設された石川県能登島ガラス美術館。世界的に評価されたガラス作品の収集、展示のほか、ガラス芸術に関する情報発信などを行っている。
    1991年(平成3)に開館。8年後に増築し現在の姿になった
  • spot 07
    史跡 七尾城跡
    日本屈指の山城、七尾城の全容に迫る散策を
    16世紀前半の戦国時代に能登国の守護・畠山(はたけやま)氏が築いた七尾城の跡。山上からふもとまで約253万平方メートルにも及ぶ全国屈指の規模を誇り、尾根には貴重な城郭跡や石垣が今も残ることから、国の史跡に指定されている。
    桜馬場(さくらのばば)跡の北側に築かれた5段の石垣。戦国時代を生き抜くため厳重に守りを固めたことがうかがえる
  • spot 08
    一本杉通り
    今も残る明治から昭和にかけての趣を訪ねる
    一本杉通りとは、御祓川(みそぎがわ)に架かる仙対橋から西へまっすぐ延びる、約500mの通りのこと。一見どこにでもあるのどかな商店街だが、実は600年以上の歴史があり、国の登録有形文化財指定を受ける建物も残る。
    一本杉通りへの入り口は御祓川に架かる紅い欄干の仙対橋が目印
  • spot 09
    花嫁のれん館
    一生に一度だけ使う婚礼道具「花嫁のれん」の世界に触れる
    かつて加賀藩の領地だった能登・加賀・越中で幕末から明治にかけて始まり、今もなお続く婚礼の風習、花嫁のれんにスポットを当てた小さなミュージアム。花嫁は嫁入りの際、嫁ぎ先の仏間の入り口にかけられた「花嫁のれん」をくぐり、先祖にあいさつをする。多くは加賀友禅や加賀染めの技法で作られたもので、それぞれが色や柄に娘への思いが込められている。花嫁のれん館では、結婚式が終われば人目に触れることのないこのぜいたくな婚礼道具を数多く展示。常設展示室では明治から平成に作られた10枚を並べ、素材や色合い、柄や巾などの違いや時代ごとの特徴を紹介する。七尾町屋を再現したコーナーでは、要予約で白無垢または打ち掛けを着て「花嫁のれん」をくぐる体験ができる。紋付袴も用意されており、本物の婚礼さながらの写真を残すことができると評判だ。
    国の登録有形民俗文化財に登録された花嫁のれんを収蔵する
  • spot 10
    高澤ろうそく店
    天然素材のやさしい灯り、和ろうそくの老舗
    江戸時代、北前船の寄港地だった七尾では、材料調達から出荷までを行える地の利を生かし盛んにろうそくが作られ、信仰心のあつい土地柄も手伝って一般家庭にも普及した。高澤ろうそく店は1892年(明治25)の創業以来、ていねいな手仕事による伝統的な製法で和ろうそくを作り続ける県内唯一の製造元。現在は希少伝統工芸品となった七尾の和ろうそくは、植物ロウを主原料とし、芯には和紙とイグサ科の植物である灯心草(とうしんそう)を用いる点が特徴。煤(すす)が出にくく、炎が消えにくいため寺院などで重宝されてきた。現代の暮らしにも揺らめく炎の癒やし効果を取り入れやすいと若い世代のファンも増えている。菜種、米ぬか、漆などさまざまな植物ロウを使い、デザインも多様な和ろうそくを開発。燭台などもそろえ、豊かな時間を演出するキャンドルライフを提案している。
    仏事や祝事に用いられる伝統的なろうそくに職人が1本ずつ花を描く、手描き花絵ろうそくは550円-
  • spot 11
    石川県七尾美術館
    能登のアートシーンをけん引する美術館で感性を刺激
    七尾市出身の実業家、池田文夫(いけだふみお)氏(1907-1987年)が集めた「池田コレクション」をはじめ、当地に生まれた桃山時代の画家、長谷川等伯(1539-1610年)など能登にゆかりのある作家の作品を多数所蔵・展示している。
    能登初の総合美術館として1995年(平成7)に開館
  • spot 12
    山の寺寺院群と瞑想の道
    心落ち着く散策道で、古刹を訪ね歩く
    加賀藩祖・前田利家が城下町七尾の守りとして寺院を配置した山の寺寺院群。現存する16の寺には語り継がれてきた伝承や寺宝が残る。「瞑想の道」は木々に囲まれた静かな散策道で、各寺をつなぐように整備されている。
    木々に囲まれた實相寺(じっそうじ)。鬼子母神のほか、能登では珍しく加藤清正(かとうきよまさ)を祀る
  • spot 13
    能登食祭市場
    海の幸や伝統の味覚が大集合、能登の魅力が詰まった旅の拠点
    七尾をはじめ、能登一円のおいしい味覚や逸品が集まる拠点施設。生鮮や特産品を販売するほか、浜焼きコーナー、レストランもあり、能登の魅力を「見て」「買って」「食べて」満喫できるスポットだ。
    外観は能登の新鮮な魚をイメージ。屋根の上に背びれ、尾びれが見える
  • spot 14
    スギヨ能登食祭市場店
    カニカマを生んだ老舗の直営店で、練り物のおいしさを再確認
    能登を代表する食品メーカーであるスギヨの直営店。1640年(寛永17)、七尾湾の恵みを扱う鮮魚問屋として創業し、明治期末には焼きちくわなどの練り物を製造する水産加工会社に発展。インスタントラーメンやレトルトカレーと並んで戦後日本の食品3大発明に数えられる「カニカマ」を1972年(昭和47)に、世界で初めて開発・発売したことで知られる。近年ではその高い開発力と技術力を生かして、魚肉練り製品だけでなく多彩な加工品を生み出している。その直営店に並ぶのは、バラエティ豊かな商品のなかでも特に人気の高い品を中心とした50種以上。上質なすり身を使ったかまぼこは、揚げ、焼きなど加工方法によって味わいが異なり、食べ比べも楽しい。能登で水揚げされた魚の干物、イカや甘エビの塩辛といった珍味は、酒はもちろんご飯との相性も抜群だ。また、能登食祭市場内での購入品であれば、他店の商品も一緒に店頭から発送できるので活用したい。
    能登一円の特産品が集まる「能登食祭市場」の1階で営業
  • spot 15
    和倉温泉お祭り会館
    地元の人々を熱狂させる「七尾四大祭り」の迫力を体感
    「七尾四大祭り」といわれる、「青柏祭」「石崎奉燈祭」「お熊甲祭(くまかぶとまつり)」「能登島向田の火祭」の見どころや歴史を伝える施設。実物大の山車(だし)や奉燈など、祭りの高揚感まで感じられる迫力ある展示が見もの。
    「七尾四大祭り」の祭り道具も展示・解説。映像で祭りの舞台裏を知ることもできる
  • spot 16
    能登すしの庄 信寿し
    地元客の支持も厚い、七尾湾の旬と鮮度を握る寿司店
    1961年(昭和36)の創業以来、海の幸に恵まれた七尾で舌の肥えた地元客から愛され続ける。部屋の端から端まで延びる圧巻のカウンターは全長約11m。さらに、その後方にある全長約8mのネタケースには、能登を中心に石川県内で水揚げされた地物魚介が常時30種類以上そろっている。当地ならではの「鮮度」を味わってほしいとネタには手をかけすぎないのが信寿しの身上だ。契約農家が栽培する能登産コシヒカリを使うシャリには少しだけ赤酢を加え、脂ののった魚介のうまみを引き出している。にぎりやちらしといった寿司にサラダ、味噌汁などの付くお得なセット(2310円~)は昼限定。なかでも「極めの七貫」(5280円)は、その時期ならではのネタを集めたにぎり寿司7貫に、海鮮入りの茶碗蒸しなどが付くぜいたくなメニューとなっている。半年以上かけて手作りするサザエの糀漬けなどの自家製珍味や季節の魚で作る刺身、煮物、揚げ物といった多彩な一品料理もぜひ味わいたい。
    初めて訪れる客の誰もが驚く、長い特注カウンターは、職人の流れるような所作と庭園の緑を眺めながら食事をできる特等席
  • spot 17
    なまこや
    伝統の珍味からオリジナル品まで、能登産ナマコの専門店
    一年を通してさまざまな魚介が水揚げされる七尾湾。ナマコ漁の歴史も長く、能登産のナマコは、磯の香りが強く身の味がしっかりしていると、全国の食通から高い評価を受けている。なまこやは、能登産ナマコの加工から販売までを手がける、地元を代表する専門店。ナマコの腸の塩辛である「このわた」や、ナマコの卵巣の塩辛「くちこ」は、ていねいな手作業で作る能登ならではの高級珍味だ。なまこやでは保存料などを加えず薄塩で仕上げるため、ふくよかな磯の香りと素材本来の味を楽しめる。また、ナマコをさばく職人の手がきれいなことにヒントを得て開発した洗顔石けん「なまこ美人」は、配合された〈なまこエキス〉の効果で洗い上がりのしっとり感が続くリピーターも多い人気商品。このほかにも、ナマコの天然コラーゲンが入ったスイーツ「パンナマコッタ」などナマコを知り尽くした専門店ならではの商品がバラエティ豊かにそろい、店内であれこれと品定めするのも楽しい。
    竹筒入りこのわた(25g1188円)。塩分を控え保存料も使用していないため、冷凍で販売している。自宅への発送も可能
  • spot 18
    鳥居醤油店
    能登育ちの原料で造る昔ながらの天然醸造醤油
    能登産の大豆や塩、小麦を使う醤油の醸造元。鳥居家では代々女性が店を継いでおり、現在は3代目の正子さんを中心に醤油造りを行っている。地元産原料へのこだわりは、「子どもたちに安心して口にしてもらいたい」という母心と、「生産現場をいつでも自分の目で確認できる」という責任感から生まれたものだ。醤油を造るのは店舗奥の作業場。茹でた大豆と小麦に麹菌を付けて育てた麹に塩分を加えてもろみにし、2年間杉樽で熟成。その後、絞って火入れをするというすべての工程を手作業で行う。製法も道具も「昔ながら」を守るため大量生産はできないが、心のこもった醤油はまろやかでほんのり甘く、刺身やおひたし、卵かけご飯などシンプルな料理によくあう。廃材を燃料にした和釜で大豆を炊き、醤油を絞ったあとに残るもろみ糟(かす)は、漬物床や乾燥して調味料として販売するなど、資源を有効活用している。SDGsという言葉が生まれるずっと前から、鳥居醤油店は環境意識の高い取り組みを続けている。
    一本杉通りの中ほどにある店舗は、1908年(明治41)に建てられた土蔵造り。国の登録有形文化財に指定されている
  • spot 19
    能登島ガラス工房
    作家気分で挑戦! 自分だけのガラス器作り
    海と山に恵まれた能登島にあるガラス工房。作家としても活躍するスタッフのサポートを受けながらガラス作品を作ることができる。併設するギャラリーには工房オリジナルの商品も並び、ショッピングも楽しめる。
    作家たちの制作風景を自由に見学可能。素早い動きで作品を作り出す技は、まるで手品のよう
  • spot 20
    のと里山里海ミュージアム
    脈々と受け継がれる能登の歴史と文化、里山里海の魅力を発信
    能登歴史公園(七尾市国分寺地区)内に2018年(平成30)10月オープン。豊かな自然、古くから受け継がれてきた伝統、暮らしなど、世界農業遺産に認定された能登の里山里海の魅力と歴史的価値を紹介している。
    エントランスホールの床面に描かれた絵地図「のと空中散歩」と県内5市7町の特産品を展示する「百景棚」
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旅のヒント

  1. その1

    JR金沢駅からJR七尾駅までは、七尾線で約1時間30分。JR七尾駅から中心市街地までは約500mと近く、歩いての観光がおすすめだ。

  2. その2

    和倉温泉や能登島などの見どころを効率的に巡るならマイカーやレンタカーが便利。車の場合、七尾までは金沢方面からのと里山海道で約1時間30分、富山県高岡方面から能越自動車道で約1時間、のと里山空港からは約45分。

  3. その3

    能登食彩市場に隣接した七尾マリンパークに無料駐車場あり。和倉温泉はJR和倉温泉駅から約3km。徒歩だと30分ほどかかるため、タクシーの利用がおすすめ。和倉温泉湯っ足りパークに無料駐車場がある。

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