石川

近江町市場周辺

AROUND OMICHO MARKET

近江町市場を核に金沢のグルメやショッピングを楽しめる

現代の金沢の中心街の1つで、JR金沢駅から徒歩約12分と駅から最も近い観光エリアである。駅から続く駅前通りと百万石通りが交差する武蔵ヶ辻は、開設から300年超の歴史を誇る近江町市場を筆頭に、百貨店やテナントビルが立ち並ぶショッピングエリアでもある。武蔵ヶ辻は古くからの交通の要衝で、近江町市場から南側に延びる百万石通り(国道157号)は現代の金沢の目抜き通りであり、この道を約1.1km進むと長町エリア、さらに約800m進むとにし茶屋街エリアとなる。一方、近江町市場から東側に延びる百万石通り(国道159号)は藩政期の目抜き通りで、約900m進むとひがし茶屋街エリアとなる。JR金沢駅を旅の基点とする場合、近江町市場エリアは兼六園エリアも含めた金沢の主要な観光エリアへ向かう際に必ず通過するので、どのタイミングで立ち寄るか決めて旅程を組もう。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    近江町市場
    おいしいものと活気であふれる金沢の台所
    鮮魚店や青果店、飲食店など約170店が軒を連ね、地元の海の幸・山の幸が所狭しと並ぶ近江町市場。街の中心部にありながら、威勢良い声が響く「金沢の台所」は、旬の味覚や市場ならではの臨場感が楽しめるエリアだ。
    買い物客でごった返す近江町市場
  • spot 02
    近江町コロッケ
    市場ならではの海鮮具材が人気の手作りコロッケ
    市場内の新通りにある、近江町の買い食いグルメ定番のお総菜屋さん。名前からわかるとおりコロッケが売りのお店で、甘エビやカニ、タコといった市場ならではの海鮮系の手作りコロッケが人気商品となっている。もともと、同店に並ぶコロッケは1種のみで、これは同じ市場にあるスーパー「世界の食品ダイヤモンド」の人気総菜だったのだが、ある百貨店のイベントに出店する際、海鮮系コロッケもラインナップに加えた。これが大好評で、全国の百貨店から引く手あまたとなり、逆輸入の形で近江市場の店頭でも販売するようになったというエピソードがある。平日は9時から10時にかけてどんどん揚げたてが並び、数が減ってくると追加分を揚げていく方式だが、休日は商品の回転が早いため、ほぼ常に揚げたてを購入できる。
    タコ、カニ、甘エビのコロッケ(左から)、なかでも甘エビコロッケは店いちばんの人気(1個200-300円)
  • spot 03
    大口水産
    多種多様な魚がそろう市場でいちばん大きな鮮魚店
    上近江町通りに面する近江町市場で最も広い売り場面積を擁する鮮魚店。北陸を中心に日本全国500種以上の魚種を取り扱っており、鮮魚だけでなく塩干物や刺身、寿司などの総菜、練り物のほか、炉端焼きの「焼き焼きコーナー」もあり、威勢よく響く呼び込み声が、市場らしい臨場感を感じさせてくれる。魚にそれほど詳しくなくても、店員さんに聞けば旬やおすすめの調理法を教えてくれるし、さばいてもくれる。プロの料理人が買い出しに来る午前中は品ぞろえ豊富で、商品がはける夕方になるとディスカウントやおまけを付けてくれることも。9月に底引き網漁、11月にカニ漁、1月に甘エビのかご漁がそれぞれ解禁となり目玉商品になるので、頭の片隅に入れておこう。
    市場らしい活気にみなぎる大口水産の売り場
  • spot 04
    杉本水産
    金沢の名物スタミナ食・ドジョウの蒲焼きはクセになる味わい
    市場内の鮮魚通りと新通りの交差点に面する、蒲焼きで有名な鮮魚店。金沢で蒲焼きといえば、昭和世代ならまず思い浮かべるのはドジョウの蒲焼きだ。ドジョウを開いて串刺しにし、濃厚な甘辛いタレにつけて炭火でカリッと焼き上げる。香ばしさのなかに独特のコクと苦味があり、骨ごと食べられる夏のスタミナ食として金沢では定番だ。金沢でドジョウを食べるようになった起源は諸説あり、1869年(明治2)、改宗を拒んだ長崎のキリシタンが金沢藩預けになって軟禁され、生活の足しにドジョウを捕って串焼きにして売り歩いたという説が広く知られている。杉本水産ではこのドジョウの蒲焼きだけでなく、ウナギの蒲焼きも人気で、土用丑の日の長蛇の列は毎年おなじみのローカルニュースになっている。
    多くの金沢っ子が蒲焼きを買い求める杉本水産
  • spot 05
    井ノ弥
    驚くほど肉厚のネタがうれしい豪華海鮮丼
    金沢のおいしいものが一堂に集う近江町市場で、トップクラスの人気を誇るのが一杯の丼に日本海の幸を豪勢に盛り付けた海鮮丼だ。なかでも、上通りパーキング口そばの井ノ弥は、金沢で海鮮丼という言葉が定着する以前の「ちらし丼」と呼ばれていた時代に、市場で海鮮丼を提供し始めた先駆け的専門店。定番のトロやサーモンに加え、地物のノドグロ、ブリ、能登フグ、アカイカといったネタはひと口ではかみ切れないほど肉厚で、これら季節ごとの16~20種のネタを器からはみ出さんばかりに盛り付けたさまはボリューム満点で豪快のひと言。魚介のうまみをいっそう引き出してくれる大野産醤油をベースにしたオリジナルブレンドのタレをたっぷりかけていただこう。海鮮丼のほかにも、日本海の幸と加賀野菜を使った天丼や金沢カレーも人気メニューとなっている。
    上ちらし近江町〈特盛〉※のどぐろ入り 3,250円(税込)
  • spot 06
    上林金沢茶舗 金沢エムザ店
    金沢ならではのひときわ香り高い棒ほうじ茶
    茶道の盛んな金沢の一般家庭でよく飲まれるお茶は、実は棒茶だ。棒茶とは棒ほうじ茶の略で、金沢では番茶と呼ぶことも多い。一般的に、ほうじ茶は煎茶を焙煎したものだが、明治時代、茶葉からお茶を作る過程で捨てていた茎を有効活用しようと焙煎したところ、香り高いお茶が生まれ、県内で一気に普及し定着した。この棒茶を初摘み一番茶の茎で提供してくれるのが、近江町市場の向かいに建つ百貨店・金沢エムザの1階に入る、上林金沢茶舗だ。京都・宇治の上林春松(しゅんしょう)からのれん分けされた茶舗が自社の焙煎工場で火を入れ、ふっくらと仕上げた棒茶は、上品だが力強い香りが匂い立つ。能登島の自社農場で栽培した和紅茶も人気で、いずれのお茶も店内のカフェで和菓子とセットでいただける。
    店でいちばん人気の「百万石 加賀棒茶100g」(1080円)
  • spot 07
    目細八郎兵衛商店
    金沢随一の老舗の技が光る細やかで美しい加賀毛針
    近江町市場からJR金沢駅方面へ徒歩約3分、横安江町商店街の大通りから1本横に入った狭い小道「目細通り」に建つ、金沢きっての老舗が目細八郎兵衛商店だ。前田利家が金沢入りするより早い、1575年(天正3)から針を製造販売し、石川の伝統工芸である加賀毛針を今に伝承している。川釣りが武士の特権だった江戸時代、加賀藩では武士の心身の鍛練のひとつとしてアユ釣りを奨励したが、「友釣りは武士道に反する」として、多くの武士が毛針釣りに興じた。各々が工夫してアユ毛針を作るようになると、いつしか工芸や美術の域に達し、オシドリやカワセミなどの羽毛を用い、金箔や漆を施した美しい毛針が作られるようになったという。現代では、加賀毛針の繊細な技術を生かしたフェザーアクセサリーも注目を集めており、店ではブローチの製作体験もできる。
    目細通りに建つ目細八郎兵衛商店
  • spot 08
    廻る近江町市場寿し 本店
    握りたてをいただけるほぼ回らない回転寿司店
    市場の東側の入り口、青果口すぐにある回転寿司店。金沢を拠点にする回転寿司店は寿司をレーンに流すだけでなく、カウンター寿司のように板前が直接握ってくれる様式が多く、廻る近江町市場寿しはこうしたスタイルの先駆けになった店のひとつだ。混雑時以外はレーンが回っていないことが多く(コロナ禍以降は完全にレーン停止)、ほとんどの場合、寿司は板前がその場で握って提供する。ネタに自信があるからこそ、握りたてを味わってほしいという想いから始まったスタイルであり、実際、市場内の水産会社と太いパイプをもち、プロの目利きが仕入れた魚を買い付けているため地物も県外ものも新鮮なネタが並ぶ。寿司屋ではあるが、海鮮丼も人気がありメニューも豊富で、なぜか店一番の人気メニューは「ぜいたく丼(アラ汁付き2739円)」だという。平日でも朝から行列ができ、店内は昼が過ぎても混み合っているが、市場内に支店が4つあるので、本店が混んでいるなら支店にまわってもいいだろう。
    店でいちばん人気の「ぜいたく丼(アラ汁付き)」2739円
  • spot 09
    近江町市場飲食街 いっぷく横丁
    金澤おでんを気軽にいただける市場の立ち飲み屋
    市場の上近江町通りの買い物通り口近くにある金澤おでんの立ち飲み屋。金澤おでんはネタに金沢ならではの特徴がある。店の一番人気で生地を棒に巻きリング状に焼き上げた車麩(300円)や、コリッとした食感のバイ貝(500円)、蒲鉾よりやわらかくハンペンより弾力のあるふかし(200円)、おせち料理にも入る赤巻(150円)などは金沢おでん特有の具材だ。一方、おでん出汁は店や家庭によって京風や醤油ベース、鶏ガラなどさまざまで、同店では昆布ベースの塩出汁を用いている。同店では豆腐系や練り物などは同じ市場の専門店から仕入れており、店頭には浜焼きコーナーもあるなど、品ぞろえは市場で暖簾を掲げる店ならでは。ほかにもその日に市場から仕入れた海鮮を刺身、寿司、天ぷら、串揚げにして提供し、北陸3県の地酒を50種以上用意するなど、市場の喧騒を感じながら気軽に立ち食い、ちょい飲みできる店になっていて、朝から営業していることから朝食に金澤おでんという選択肢も挙がってくる。
    立ち食い飲み屋なので気軽に金沢おでんをいただける
  • spot 10
    中島めんや
    地元で婚礼や誕生祝いに用いられる愛らしい人形
    近江町市場のテナントビル「近江町市場いちば館」B1階のエムザ地下連絡通路すぐ前に位置する、創業1862年(文久2)の郷土玩具の老舗店。素朴な郷土玩具のルーツは武士の手内職にあり、金沢の伝統工芸の二俣和紙を用い、現在も昔ながらの製法で職人が一つひとつ手作りしている。同店を代表する縁起物の人形「加賀八幡起上り」は、八幡宮の「八幡さま」が生まれた際、真紅の産着に包まれ顔を出していた姿を模したもので、タンスに入れておくと衣装が増えるという言い伝えから、地元では婚礼道具や結婚祝いによく用いられる。また、ダルマによく似た形状から、「七転び八起き」で病気見舞いや厄除けとして贈られることも多い。「加賀八幡起上り」は朱塗りに松竹梅模様がスタンダードだが、「絵付け体験(要予約)」に申し込めば自分好みのデザインにすることもできる。素体は大小のサイズを選び、小サイズなら朱塗り、大サイズなら赤塗りか無地を選択でき、サイズに関係なく朱塗りなら30分ほど、無地なら1時間ほど絵付けに時間がかかる。
    金沢で古くから子どもの誕生や婚礼祝として贈られる「加賀八幡起上り」
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旅のヒント

  1. その1

    JR金沢駅から徒歩圏内だが、バスを使うなら武蔵ヶ辻・近江町市場経由に乗ろう。金沢駅東口(兼六園口)バス乗り場発のバスは、ほとんどの路線が武蔵ヶ辻・近江町市場を経由する。

  2. その2

    近江町市場には付属の駐車場が3つあるが、それぞれ営業時間と料金体系が違うので近江町市場公式HPで確認しておこう。

  3. その3

    近江町市場のそばには、市内中心部の観光に便利なレンタルサイクル「まちのり」のポートがある。

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