富山

黒部・朝日

KUROBE / ASAHI

トロッコ電車に揺られ、宇奈月温泉の名湯をいただく

黒部市は富山県東部、黒部川の下流域に位置する。朝日町は富山県と新潟県の県境にある静かな街だ。黒部が誇る宇奈月温泉は、大正時代から始まった黒部川の水力電源開発の拠点として栄えてきた。7km上流にある黒薙から温泉を引いており、日本有数の透明度を誇る。工事用の資材を運搬するために使用されていた黒部峡谷トロッコ電車は富山でも有数の人気を誇る観光スポットで、深緑の時期も美しいが、10月下旬の紅葉の季節になると観光客が引きも切らない。また、エメラルドグリーンに輝くヒスイ海岸で、本物のヒスイの石を見つけて旅の思い出にしたい。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    宇奈月麦酒館
    黒部の名水で仕込んだ地ビールにリピーター
    黒部の名水と麦を使った地ビールは、地元愛が詰まっており、その味わいは格別だ。醸造したばかりのフレッシュなビールは、ここでしか味わえないので、ぜひ足を運んでほしい。
    地ビール醸造の歴史は20年以上
  • spot 02
    生地中橋
    世界でも珍しい! 船が通るたびに回転する橋
    世界でも珍しい回転する橋として知られる生地中橋。車やバス、住民が普通に使っている橋が、警報音とともにぐるりと回るのは、珍しい光景だといえる。常に動くわけではないので、見られたら幸運に違いない。
    開いた橋の横を船が航行していく
  • spot 03
    魚の駅「生地」
    黒部沖でとれた漁協品質の新鮮な魚介がずらり
    魚の駅「生地(いくじ)」は、くろべ漁業協同組合が運営しており、鮮魚・干物販売の「とれたて館」と旬の魚介を提供する「できたて館」に分かれている。漁協直営の店舗としては先駆けで、2023年(令和5)年で19年目を迎えた。黒部漁港で水揚げされたマトウダイ、タチウオ、ヒラメなど種類豊富な魚介を扱う。刺身コーナーでは、購入した刺身をその場で食べられるのはうれしい。特に人気があるのが干物。「生地のしおもん(塩のもの)」と言われ、北陸ではその名が知られている。この道40年のおばちゃんが水揚げされたばかりの魚介に絶妙な加減で塩をふる。塩水につける時間、干す時間が味の決め手で、おみやげにはぴったりだ。できたて館は干物定食や海鮮丼のメニューがそろい、船上の刺身定食(2500円)が新鮮な地魚を存分に味わえると評判を呼んでいる。
    館内を彩る大漁旗が観光客を出迎えてくれる
  • spot 04
    宇奈月温泉
    黒部峡谷の入口として栄えた100年の歴史を誇る温泉街
    黒部峡谷の玄関口として、1923年(大正12)の開湯以来、文人墨客に愛されてきた富山随一の温泉郷。黒部川沿いに旅館やホテルが建ち並び、せせらぎを聞きながらやさしい湯に浸かりたい。
    富山地方鉄道宇奈月温泉駅は宇奈月温泉のシンボル
  • spot 05
    鐘釣温泉
    黒部峡谷の名物の河原露天風呂。自分で露天風呂を造ることができる!
    鐘釣駅から電車を降りて右に進むと、少し急な階段が見えてくる。直径10mもあろうかという大きな岩陰には、暴れ川として知られた黒部川の氾濫を防ぐため、1936年(昭和11)に安置された「鐘釣三尊像」がある。大日如来、釈迦如来、弥陀如来の石仏が安全を祈願している。心を落ち着かせてから反対方向に戻って15分ほど行くと眼下に黒部川が見えてくる。階段を下っていくと、河原のすぐそばに岩で造られた野趣あふれる露天風呂がある。黒部峡谷の名物で、足を浸けてみると、ちょっと熱めの湯が気持ちいい。河原を掘り進めていくと、湯が湧き出てくるが、高温なので気をつけて。いろんなところから湯が湧き出ており、自分にぴったりな温度の露天風呂を造ることができるのでチャレンジしてほしい。
    思わず靴下を脱いで浸かってみたくなる
  • spot 06
    黒部峡谷トロッコ電車
    トロッコ電車に揺られて絶景ビューの旅
    日本でも有数の深さを誇るV字谷の峡谷を走るトロッコ電車。トンネルを抜けるたびに雄大な景色が目の前を過ぎていく。まさに大自然のテーマパークである黒部峡谷を体全体で感じてみたい。
    黒部川沿いをガタゴト揺られながら進んでいく
  • spot 07
    ヒスイ海岸
    ヒスイが打ち上げられるエメラルドグリーンの海岸
    世界で最も美しい湾として、2014年(平成26)に「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟している富山湾。なかでも、ヒスイ海岸は、夕日と朝日が美しく、ヒスイを拾える海岸として知られている。
    見渡すかぎり、海岸線が続いている
  • spot 08
    料理旅館 有磯
    富山に来たなら一度は食べたい郷土料理「たら汁」
    富山県の最東であり、新潟県との県境にあたる朝日町。沿岸の国道8号沿いは「たら汁街道」とも呼ばれており、富山の郷土料理「たら汁」を求めて訪れる観光客が絶えない。漁が盛んだった朝日町では、冬場、漁から帰ってきた夫をねぎらって温かなたら汁をふるまったとされる。60年ほど前はタラがよく獲れたことから、次第に店で提供されるようになり、海水浴場の海の家で食べられるようになり、人気に火が付いたという。それぞれの店舗で味噌のブレンドが違い、具材の入れ方にも順番がある。生臭くならないための切り方があり、その見極めは熟練の技だ。さまざまな具材とタラから出た旨みが凝縮しただしは、ふくよかな味に仕上がっており、一度は食べてみる価値がある。
    たら汁定食(2300円)は刺身やもずく、焼き物などがつくのでボリューム満点。たら汁(880円)、たら汁ご飯(1100円)もある
  • spot 09
    セレネ美術館
    黒部峡谷の魅力を絵画で表現した作品を鑑賞
    黒部峡谷の魅力を絵画で表現した作品を常時展示しているセレネ美術館。何人もの画家が作品に込めた想いを感じることができる。ワークショップも人気があるので、ぜひ体験していってほしい。
    黒部峡谷をダイナミックなタッチで描いた作品が並ぶ
  • spot 10
    宇奈月ダム情報資料館 大夢来館
    宇奈月ダムの仕組みや役割を学びたいならココ!
    黒部川流域の安全と飲み水の確保や発電を目的に造られた宇奈月ダム。崩壊地が多いため、上流からの流入土砂が多いという難題を克服しながら、その役割を果たしている。知るほどにおもしろい宇奈月ダムの秘密に迫る。
    黒部川流域模型は、スケール感がよくわかる
  • spot 11
    味処 河鹿
    じっくりとうまみを引き出した釜飯と、じんわりとコクの伝わるおでんが人気。
    1968年(昭和43)創業、老舗の釜飯とおでんを提供する食事処。創業から変わらない味を守る五目釜飯(1100円)は、あっさりしていて少し甘めだが、エビやカニなどのうまみをしっかり感じられる。お米は地元の黒部産を農家から直接仕入れており、嚙むほどに甘さを増してくる。リピーターが絶えないのもうなずける。紅ずわいがにやホタルイカの釜飯もある。この店のもう1つの売りがおでんだ。いりこと昆布で取ったダシは、さっぱりしながらもコクがある。値段は100円から300円で、なんといってもたっぷりダシを吸った大根がいちばん人気。富山に来たなら、とろろ昆布とかまぼこははずせない。常時20種類を用意しており、一年中、食べられるのがうれしい。黒部のブランド豚、黒部名水ポークの「生姜焼き定食」(1350円)にもファンが多い。
    蓋を開けると湯気とともにいい香りが広がる
  • spot 12
    福多屋菓子舗
    温泉街から愛された銘菓。シャクナゲのおもかげを姿形に託して
    宇奈月温泉を代表する銘菓「おもかげ」(1個140円)。大正末期に開業した福多屋菓子舗の2代目が開発した商品で、黒部峡谷に咲くシャクナゲの気高さに心を打たれ、その面影を託したとされる。シャクナゲと同じ紅白の2種類となり、「おもかげ」の名の由来となっている。こし餡を薄い求肥で包み、最中の皮で挟んだ菓子で、求肥のもっちりとした弾力と、最中のさくさくとした食感がくせになる。長年、ロングセラー商品として温泉街を支えてきたのは伊達ではない。戦時中は砂糖が手に入らず、代用甘味料では本来の味は出せないと、店を閉めたこともある。敗戦から5年後に店を再開し、大量の注文に寝ずに応えたこともある。1967年(昭和42)、黒部川に温泉街と対岸を結ぶコンクリートのアーチ橋が架けられた。その橋は「想影(おもかげ)橋」と名付けられた。橋の名前になるほど、地元に愛されてきた菓子なのである。
    シンプルな菓子だけに飽きがこない
  • spot 13
    やまとや
    豆腐のおいしさを極限まで追求したスイーツが目の前に
    宇奈月温泉が開湯してから100年続く豆腐屋。現在は4代目が継いでおり、富山県黒部市の澄んだ水と富山県産の厳選した大豆で作った豆腐は絶品と評判を呼んでいる。薄揚げや油揚げ、がんもどきもうまい。そんな豆腐屋が本気で取り組んだのが、「とうふスイーツ」の数々だ。なんといってもいちばん人気は、「手作りとうふプリン」(300円)だろう。豆腐の味がダイレクトに伝わり、さっぱりしていて甘さも控え目。食べ終わると思わずもう1つ手を伸ばしたくなること間違いなし。ソフトクリーム好きなら「とうふソフトクリーム」(400円)も見逃せない。濃厚なミルクの味わいが口全体に広がったあと、豆腐の香りがふわりと鼻を抜けていく。豆腐とソフトのコラボによって味に深みが出ている。豆腐入りというだけでカロリーが低そうに思えて、気兼ねなく食べてしまうから不思議だ。「杏仁とうふ」(150円)、「レアチーズとうふプリン」(370円)、「生チョコとうふプリン」(350円)は要予約なのでチェックしておきたい。
    豆乳の濃度は豆腐とプリンの絶妙な境界線を見極めている
  • spot 14
    つぼや菓子舗
    せいろで蒸したばかりのほかほかの饅頭に顔がほころぶ
    1924年(大正13)開業の老舗菓子舗。この店で恒例となっているのが、店内で行われる蒸し販売だ。土・日曜になると、せいろで蒸したばかりの「おんせん饅頭」(1個100円)を求める観光客や地元住民が列をなし、ほかほかの饅頭を次々と買い求めていく。北海道十勝産のあずきを使ったこし餡は黒糖が味の決め手で、しっとりとした麦の皮が甘さを受け止めている。また、1985年(昭和60)に誕生した「もろみまんじゅう」(1個100円)は、生地にもろみ醤油を使っており、白餡を使うことでバランスが取れている。1日に3000個を売り上げたこともあるというから驚きだ。「できたてのものしか販売しない」。その日作った饅頭は、翌日には売らないをモットーにしている。饅頭は予約販売もしており、常連客になると、旅館に宿泊する日に店で予約し、次の日の朝にできたて饅頭を持ち帰るという。
    勢いよく湯気が吹き上がり、蒸籠の木の香りと饅頭のにおいが一面に広がる
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旅のヒント

  1. その1

    北陸新幹線「はくたか」がJR黒部宇奈月温泉駅に止まるので利用したい。宇奈月温泉までは富山地方鉄道で乗り継ぐ。車の場合、高速道路は黒部ICで降り、宇奈月温泉までは約13km。宇奈月温泉からヒスイ海岸までは約22kmで着く。

  2. その2

    黒部峡谷トロッコ電車と宇奈月温泉はセットで日程を組みたい。特に10月下旬から11月中旬の紅葉の時期は、観光客が殺到するので予約は早めにしたい。

  3. その3

    宇奈月温泉を味わうなら「宇奈月ウォーキングコース」がおすすめ。おもかげコースは、温泉街の旅情に浸りながらまち歩きができ、足湯やスイーツを楽しめる。やまびこコースは、トロッコ電車の旧道を歩き、黒部峡谷の美しさを体感できる。

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