平泉・奥州・一関

HIRAIZUMI / OSHU / ICHINOSEKI

約千年前の遺跡や寺院が世界遺産に。歴史と文化が息づく岩手の最南エリア

岩手県南部に位置するこのエリアで、全国的にも有名なのが「中尊寺 金色堂(ちゅうそんじこんじきどう)」をはじめとする世界遺産・平泉。平安時代末期、「この地に争いのない理想郷を」と奥州藤原氏が三代にわたって築き上げたきらびやかな黄金文化だ。藤原氏滅亡時に多くを失うものの、江戸時代にこの辺りを領地としていた初代藩主・伊達政宗をはじめとする伊達家が、平泉周辺の寺院や遺跡の保護保全を行ってきたこともあり、歴史的な建築物や文化財を今でも目にすることができる。また、「厳美渓(げんびけい)」「猊鼻渓(げいびけい)」などの迫力満点の景勝地、動物、ガーデン、民俗文化、鬼などをテーマにした、家族で楽しめる施設も点在している。そして、ぜひ味わいたいのが、前沢牛の焼肉や握り寿司、一関もち文化、奥州はっと汁、北上コロッケなど、地元産の食材を生かしたご当地グルメ。歴史や文化に触れつつ、充実した食体験もできるエリアだ。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    天台宗東北大本山 関山 中尊寺
    開山から約1200年。平和への祈りを重ね続ける中尊寺
    「この境内に入り詣でれば、ひとりも漏れなく仏さまに頭を撫でていただくことができる」。これは、奥州藤原氏の初代清衡(きよひら)公が書物に記した言葉。樹齢300年の杉林がやさしく誘う参道を進みながら、諸仏に手を合わせていくと、心に清らかさが満ちてくる。
    1909年(明治42)に再建された本堂。本尊は釈迦如来。像の高さは約270cmもある(画像/中尊寺使用許可済)
  • spot 02
    中尊寺 金色堂
    創建当初の姿を今に伝える、国宝建造物第1号
    松尾芭蕉が中尊寺を訪れた際に詠んだ句がある。「五月雨(さみだれ)や降り残してや(ふりのこしてや)光堂(ひかりどう)」。雨さえも避けるほど、光り輝く金色堂の美しさ。奥州藤原氏が築き上げた黄金文化を存分に感じよう。
    昭和の大改修の際に造られた「金色堂」を守る「新覆堂(しんおおいどう)」(画像/中尊寺所蔵)
  • spot 03
    天台宗 別格本山 毛越寺
    築造から800年を超えても、変わらぬ美しい浄土庭園
    平安時代から鎌倉時代にかけて築造された浄土庭園。毛越寺は、その代表的な庭園であり、国の特別史跡・特別名勝の二重指定を受け、加えて世界遺産にも認定されている。大池が映し出す浄土の時間を旅しよう。
    当時のままの姿を今に伝える「大泉が池」。空と山が美しく映る
  • spot 04
    世界遺産 平泉
    「平和」という理想世界を形にした、寺院・庭園および遺跡の一群
    奥州藤原氏が築き上げた寺院・庭園。遺跡も含めて、1000年という長い時間を経ても色あせないのは、平和への切実な想い。たとえ建物が朽ちても、他者への祈りは変わらない。その思想こそが平泉ならではの世界遺産なのだ。
    中尊寺(ちゅうそんじ)境内の「金色堂(こんじきどう)」。当時の最高技術で造られており美術的価値も高い(画像/中尊寺所蔵)
  • spot 05
    無量光院跡
    自然の営みを活かしながら、極楽浄土の世界を表した世界遺産
    世界遺産・平泉は、5つの要素で構成されている。そのうちのひとつが「無量光院跡」。ここでは、浄土の世界を表現するための意匠・設計が伽藍に施されていた。伽藍の失われた遺跡だが、その工夫は存分に感じられる。
    8月末の夕景。金鶏山の山頂辺りに夕日が沈んでいく
  • spot 06
    平泉文化遺産センター
    平泉の歴史、文化、見どころをまるっと知ることができる
    「なぜ世界文化遺産に登録されたのか」「なぜ奥州藤原氏は栄華を極めることができたのか」「なぜ平泉という地名なのか」。そうした疑問を解き明かしてくれるのが、2009年(平成21)に平泉郷土館と町文化財センターを統合して開設された同センター。平泉の世界文化遺産をより理解するには、奥州藤原氏の時代だけでなく、前九年・後三年合戦(ぜんくねん・ごさんねんかっせん)など、それ以前に東北で何があったのかを知ることが重要。ここでは、文化遺産の見どころ紹介だけでなく、歴史的な背景についてもわかりやすく、また深く迫っており、できれば平泉を歩く前に来館するのがおすすめだ。入館は無料で、平泉を巡るポイントやルート、駐車場などもスタッフに相談できる。
    インパクトのあるエントランス。平泉は、東北の中心地であったことを知ることができる
  • spot 07
    厳美渓
    山と川が約600万年をかけてつくり上げた荒々しい渓谷
    栗駒山と、同山から流れる磐井川(いわいがわ)。その山と川とが生み出すのが「厳美渓」だ。初代仙台藩主・伊達政宗公も好んで訪れた全長2kmの景勝地は、今も多くの人をひきつける。
    天工橋から下流側の景色。上流側に比べて穏やかな印象を受ける
  • spot 08
    郭公屋
    明治創業の老舗茶屋による絶品の団子とヒモアクション
    初代仙台藩主・伊達政宗公もこよなく愛した「厳美渓」。その景色を眺めていると、ときどき、カゴが谷の間を行ったり来たりするのに気づく。それが名物の「空飛ぶかっこうだんご」だ。同店の創業は明治時代後半で、茶屋で出していた団子を対岸の観光客にも提供したいと初代・千葉酉吉(とりきち)氏が考案した。今は5代目店主とそのご家族で団子を手作りし、店頭販売(持ち帰りのみ)とカゴを使った谷渡しでの販売を行っている。対岸と店を行き来するカゴは、華麗なヒモさばきで操作しており、団子に添えたお茶は一滴もこぼれずに到着する。代金を入れたら木槌で合図するというオーダー方法もおもしろく、もっちりとした食感がたまらない串団子と、見事なヒモアクションは注文する価値あり。
    カゴは想像以上のスピード。あっという間に団子が届く
  • spot 09
    道の駅 厳美渓
    約300種類もの食べ方が伝わる一関・平泉の餅食文化を体験
    「餅に始まり、餅に終わる」という表現がぴったりくるほど、一関・平泉周辺は餅とのつながりが深い。冠婚葬祭はもちろん、日々の生活にも餅料理が根づき、約300種類もの食べ方が伝わっている。その由来は、江戸時代に「毎月1日と15日に餅をついて神様に供えよ」という藩命。神様には白い餅を供えた一方で、貧しい農民たちが口にできたのは、くず米に雑穀を混ぜたもの。なんとかしておいしく食べようとした工夫が、独特の食べ方を生み出したのだ。「道の駅 厳美渓」内のレストラン「ぺったんくん」では、秀衡塗(ひでひらぬり)の椀で食べる本格的な「もち本膳」や、一口サイズの餅をいろいろな味で楽しめる「和風もちセット」、オリジナルのチーズ餅を加えた「もっちーずカレー」などの餅メニューを提供。同店の調理場でその日についた餅を使っているので、実にやわらかく風味も豊かだ。持ち帰りにも対応している。
    餅の入った納豆、あんこ、ごま、肉そぼろ、雑煮を味わえる「もち本膳」。口直しの大根おろし、漬物付き
  • spot 10
    猊鼻渓
    高いところでは100m超! 石灰岩岸壁を舟から望む
    砂鉄川の侵食によってできた神秘的な光景。明治時代以前は、限られた人しか知り得なかったこの秘境だが、今は舟下りで堪能できる。石灰岩ならではの切り立った岸壁や奇岩、鍾乳洞などに心が奪われる。
    舟下りコースのいちばん奥にある、船着場「三好ヶ丘」からの景色
  • spot 11
    猊鼻渓舟下り
    そそり立つ絶壁の間を、船頭の名調子とともに舟下り
    そそり立つ絶壁の合間を、悠々と流れる砂鉄川。複雑で美しい渓谷は、かつては秘境の地として、地元で知る人もわずかだったという。そうした場所だけに、舟に乗らないと絶景にはお目にかかれない。高さ100m級の断崖を舟から見上げると、想像を超える迫力に圧倒される。「藤岩」「鏡明岩」「壮夫岩」などの見どころポイントがいくつかあり、船頭が舟を進めながら、それぞれの魅力をガイドしてくれる。舟は船頭が竿1本、すべて人力で操舵しており、その熟練の技に感心しきりだ。上りでは、冗談交じりの船頭の解説で乗船客を盛り上げ、下りでは、民謡『げいび追分』を唄いあげて旅情を誘う。舟下りは1日に7-10便運航。観光には、折り返し地点の「三好ヶ丘」での散策時間も含めて往復で約90分くらいをみておこう。
    静寂に満ちた渓谷に、船頭の唄う『げいび追分』だけが響く
  • spot 12
    岩手サファリパーク
    世界の動物たちの生態を間近で見て触れられる体験型パーク
    広大な草原に世界の動物が暮らす同園では、専用バスやマイカーに乗ったまま群れのなかを進み、動物の生態を見学できる。ほかにも、ゾウのエサやりやペンギンのお散歩など、人気動物との触れ合い体験メニューも充実。
    人気者のベンガルトラのアイちゃん。美しいシマ模様に見とれる
  • spot 13
    館ヶ森アーク牧場
    食と農のつながりを体験できるファームマーケット
    100万平方メートルもある広大な同牧場の名物は、季節ごとの花で埋め尽くされるカラフルな花畑。ハーブガーデンや自然派レストラン、「昔たまご」の農場、「動物ふれあい」体験、ツリーハウスなど、充実した園内で食と農を体験しよう。
    6月中旬からの1か月間はラベンダーが見頃。写真映えするスポットとして遠来者も多い
  • spot 14
    歴史公園 えさし藤原の郷
    歴史的な建造物が約120棟も立ち並ぶ平安時代のテーマパーク
    大河ドラマの撮影をきっかけに、本格再現された平安時代のテーマパーク。当時の様子を忠実に再現した建物が立ち並び、まるでタイムトリップしたよう。歴史上の人物になりきって広大な敷地内を巡ろう。
    政治や重要な儀式が執り行われていた「政庁」を再現。正殿を中心に左右対称な造り
  • spot 15
    北上市立鬼の館
    悪か善か、神か妖怪か。日本と世界の鬼をたどる博物館
    角のない鬼の面を着けて舞う「鬼剣舞」の発祥の地であり、鬼にまつわる逸話が数多く残る当地ならではの博物館。恐ろしい鬼から、愛すべき鬼まで、得体の知れない鬼の世界をディープに知ることができる。
    入館者を出迎えてくれるのは、民俗芸能「鬼剣舞(おにけんばい)」の高さ約3mもある大きな面
  • spot 16
    みちのく民俗村
    岩手県内の古民家を移築して展示。歴史と文化をたどる野外博物館
    谷間と丘陵地からなる約7万平方メートルの村内に、岩手県の真ん中を流れる北上川沿いにあった古民家を移築展示。入場無料で、江戸時代を中心とした岩手の文化や暮らしを年中体験することができる。
    明治から大正時代に日用品を販売していた商家「旧今野家住宅」。まずはここで受付して入場を
  • spot 17
    世嬉の一酒造
    世界が認めたビールの現場を見て、4つの味を飲み比べよう
    今や全国各地で醸造されている国産クラフトビール。その先駆け的存在が「世嬉の一酒造」の「いわて蔵ビール」。大正時代に造られた石積みの蔵でのビール醸造現場を見学しながら、最後は自慢のビールで乾杯を。
    もともとは日本酒に使う酒米を貯蔵していた石蔵「クラストン」。この奥で地ビールを醸造している
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旅のヒント

  1. その1

    新幹線や高速バスを活用するならJR一ノ関駅を拠点に。JR一ノ関駅からは、在来線や路線で平泉や奥州方面へアクセスできる。

  2. その2

    エリア外の盛岡市、花巻市との行き来を考えるなら、レンタカーがおすすめ。岩手を縦に貫く東北自動車道をはじめ、沿岸方面への高速道路も次々拡張されていて、効率良くまわることができる。スマートICも増えつつあるので、ETCカードを持参すると便利。

  3. その3

    岩手県は想像以上に広いので、同じエリア内でも移動に1時間以上かかる場合も。車での移動時には、事前の経路検索と時間予測は必須。

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